グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

アパートの建設ラッシュと世の中で生きる事の難易度

世の中を生きていく上で大変なことは沢山ある。自分ではどうしようもない事が多すぎるし、そういうどうしようもない状況になった場合に状況を脱出しようとしてもなかなかうまくいかない。問題が簡単に解決できるようなものなら解決すればいい話だが、病気とか就職、カネの問題が複雑に絡み合っているような状況だったらどうすればよいのか分からなくなる。

そういう状況にある人にとっては世の中を生きるのはものすごい大変だから、なんでただ生きるだけでこんな大変なんだろう?なんて事を考えつつなんとか日々を送っている。

しかし、世の中で生きていく事に四苦八苦している人がいるならば、世の中を生きる事に何の困難も感じないような人だっているに違いない。

昨日、アパートの建設ラッシュがあって首都圏にものすごい空き家が増えている、というエントリーを書いたが、このような話を聞くと世の中を生きるという事は人によっては案外簡単なのかな、とつくづく思う。

僕がこの話を聞いて本当に驚いたのは、今の日本では少子化がものすごい勢いで進行しているからだ。少子化が進行することでもたらされるだろう帰結はいろいろあるけれども、一つ確実に起こるのは空室の増加である。どんな部屋に住んでいる人も遅かれ早かれ部屋を去るわけだが、住人が去った後で入ってくる人が足りなくなるのだ。これからの日本では住人の不足が何千万人分生じて、何千万の空き家、空き室ができるのである。

もちろん建物というのは永久に使えるものではないから、取り壊された後駐車場にでもなる事もあるだろうが、しかし短期・中期的には確実に住宅が供給過剰になるだろう。住宅が過剰だと空室が生じる。コンビニでもなんでもそうだが、アパートは建てれば確実に収益が上がるというものではない。入室率が7割だったら収益は7割だし、6割だったら6割でその上さらに供給過剰による家賃の低下が掛け合わされる事になる。だから人口が減少しているときに個人が不動産を持つかどうかの判断は相当慎重にしないといけないし、アパートなどを経営するとなればますます慎重な判断が求められる。

ところが、こういう状況なのに節税対策でアパートを建ててしまうような人というのはものすごい数いる。先ほどのエントリーにも書いたけれども、神奈川県では一年で部屋が1割増えているのだ。

この建設ラッシュのペースがどれくらい続くかは分からない。その内さすがにブレーキがかかると思うけれども、一つ確かなのは急激な人口減少というトレンドを理解せずに数億円のカネが動く話に飛びつく人が信じられないほどいるという事である。そういう人がいる以上、当然それらの人たちをターゲットにしたビジネスが存在するわけで、そんな感じのビジネスをやっている会社がアパートなりマンションを建てまくっているわけである。

つくづく世の中で生きるという事は簡単でもあれば難しくもあるなあ、と感じる。