最近、中南米で死ぬ日本人旅行者が多い気がしたので調べてみた
先日、一橋大学(社学)を休学して世界一周旅行をしていた学生がコロンビアで亡くなった。強盗に取られた携帯とタブレットを取り返そうとして撃ち殺されたらしい。
ほんの数万円のために撃ち殺されるなんて本当に世界は広いな、と改めて感じるが、ふと思ったのはこういうニュースって最近中南米の話ばかりだな、という事だ。
今年の2月にもスティールパン(南米音楽で使われる、叩く所によって音程が変わる巨大な鍋のような楽器)の演奏者がトリニダードトバコで殺される事件があったし、新婚旅行中にエクアドルで男性側が殺され、女性が重症を負うという気の毒というか、新婚旅行で中南米なんかに行くなよ、と言いたくなるような話もあった。
しかし、それでは日本人旅行者は中南米でばかり死んでるのか、と思ってネットを調べるとそういうわけでもないようだ。
海外の危険なエリアというのはジャンジャン人が死ぬというイメージがあるので日本人も相当巻き込まれているのではないか、という気がするが、そもそも海外で殺人事件に巻き込まれる日本人はあまりいない。殺人事件にあう日本人は年に10人とか15人とかだった(自殺というのは結構あるようだが、これは旅行中ではないと思う。元ロッテ→ヤンキーズの伊良部秀輝みたいに海外で行き詰って、というパターンではないだろうか)。
そのなかで長期的に海外で生活している人を除いて旅行者だけについて考えると、日本人が海外旅行に行って事件に巻き込まれて亡くなるというのは本当に数か月に一度という感じで、たしかにこれは報道から受けるイメージと一致する。
特に中南米を旅行中に殺される人が多いわけでもないようだが、中南米というのは旅行先としてはマイナーだと思うので人数当たりを考えるともしかして多いのかもしれない。というか、中南米の治安状況を考えると多分多いと思う。中南米が危険なのは、たぶん麻薬がらみのカネが大量に流れているからだろう(これは多分、東南アジアなどにも言える)。
しかし、これだけの人が海外旅行をしているのに数か月に一人亡くなる程度なのだから、海外旅行はイメージよりは安全なのかなあ、という印象を持った。もちろん軽犯罪などには日本とは比べものにならないほど会いやすいだろうけれども、日本と同じで海外でも殺されるというのはやはり稀な出来事なのだろう。
多分、危険な国でも危険な地域とそれほどでもない地域とでは危険さが全然違っていて、危険でない地域は常識的なレベルの危険さなんだと思う。それに、旅行者は危険な地域には近寄らないようにするだろうし、どうしても必要な場合はサッと通過するようにするからなかなかそれほど殺されないとも考えられる。
ちなみに、統計をみると海外での行方不明者が年に70人くらいいるのは少し気になるが、その内のどれくらいが旅行中でどれくらいが長期滞在者なのかは分からない。
当たり前の話だが、海外で亡くなる日本人は大体、交通事故とか病気で亡くなる場合がほとんどのようだ。
ちなみに外務省の資料はこちら。