天理 9-12 広陵、東海大菅生 6-9 花咲徳栄
一日だけ間が空いて、今日は天理と広陵、東海大菅生と花咲徳栄の試合だった。
ここまでくると、ものすごい勢いで結果が決まっていく。
天理 9-12 広陵
妥当な結果ではないだろうか。
やはり、総合的な戦力では広陵のほうが上だったと思う。
打撃力に関してはどちらも驚くべきものがあった。
強力打線という表現はよく使われるが、天理と広陵のどちらの打線も本物の強力打線だった。
どちらのチームも、ストライクゾーンすれすれの球だけでなく、明らかにボールのような球でも打ちまくる。
甲子園に出場してきたチームはどこも特別なチームだが、さすがに4強レベルになると違うな、と思って試合を見ていた。
東海大菅生 6-9 花咲徳栄
花咲徳栄のエース、清水がエースとしての底力を見せたゲームだったと思う。
これまで花咲徳栄で先発をしていた綱脇には疲れが見えた。
一昨日のゲームではずば抜けて安定した投球をしていたのに、今日はやや不安定な様子だった。
甲子園では10-1でも10-9でも結果は同じなので、力の差があった盛岡大附との試合ではもう少し疲れない勝ち方をしてもよかったのではないか。
4回から継投した清水は、前の試合での投球回が少なかった事もあって安定感抜群だった。
9回に2点を失って同点にされたものの、あとは無失点に抑えたのはさすがである。
延長11回表は死闘になった。
ギリギリの偶然が重なって入った3点だと思う。
2アウト2塁から難しい所に転がったボテボテのゴロで2アウト1、3塁、さらに初球から走って2、3塁。
そして、甘いところに入った球を長打にして2点、それからキャッチャーが変化球をはじいてもう1点。
継投した山内はよく投げたと思う。
押し出しを避けるために、少し球が甘めに入るのは仕方がない。
しかし、いままで甲子園で登板がなかった投手をこの局面で出すのはちょっと難しかったのかな、とも思う。
3回戦まで10点差、8点差、8点差で勝っているのだから、もう少し早い段階で出して投手にかかる負担を分散させたほうがよかったのではないだろうか。
花咲徳栄は少し普通のチームと違った雰囲気があると思った。
良い事があっても、悪い事があっても動じないのだ。
目先の事にそれほど一喜一憂しないのである。
極限状態でも、花咲徳栄には余裕が見えた。
それでいて、集中力はしっかりあるのだから不思議である。
東海大菅生は守備に凄みがあった。
送球も早いし正確である。
失策もあったが、失策した後の送球を見ると本当にすごい。
焦って暴投して大惨事、みたいな事にはならないような感じの守備である。
東海大菅生の3投手はよく投げたと思う。
どの投手にも勢いがあり、見ていて気持ちのいいピッチングだった。
2年生ピッチャーの戸田の投球フォームがド派手なのにも驚いた。
決勝はどうなるか?
花咲徳栄の主将の千丸が「戦力的には7対3か6対4で負けている」というように、戦力を考えれば広陵のほうが有利なのだろう。
なにせ、広陵にはあのプロ注のキャッチャーがいる。
局面を一発で変える長打やホームランが確実に期待できる、というのは大きい。
しかし、広陵は打撃は安定して超強力だけれども、全体として完全な安定感があるとまでは言えないと思う。
何かのきっかけで崩れる事は十分ありうる。
花咲徳栄には独特の安定感がある。
東海大菅生に勝った事で、花咲徳栄は「優勝できる」という確信をさらに強めた。
もし戦力の差が大きくないならば、花咲徳栄の方が有利なような気もする。