単純労働者と引きこもりのブロガーはどちらが孤独か?
先日、ネットで「引きこもりが社会復帰するには掃除の仕事が最適」みたいな記事を読んだ。
内容についてはよく覚えていない。
後ろの方に派遣などの人材系のアフィリンクが貼ってある、金儲けが目的の下らないものだったと記憶する。
しかし、その記事を読んで僕は、引きこもりにとって社会復帰っていうのは何なのだろうか?と考えてしまった。
引きこもり関連の議論では大体、働く事が「引きこもり治療」のゴールとされる事が多い。
世間的には、引きこもりが労働力を安価に提供する事で「社会に奉仕」していればそれで万々歳であろう。
しかし、それでは引きこもりが例えば一生掃除をする事で生計を立てていればそれが成功か、というとよくわからない。
それは確かに、ある意味では成功であるけれども、それがどのような意味で「社会復帰」なのかよくわからないのだ。
掃除の仕事というのがどのようなものなのか、僕は何もわかっていない。
上司との関係はどのようなものなのか、ほかの同僚との間にどのような関係ができるのか、具体的な職場での生活?というものについて(調べればある程度はわかるだろうが)何も知らない。
しかし、もし一般に元引きこもりが行う単純労働(単純労働が本当に「単純」であるかは議論を要するだろうけれども)が精神的な孤独を伴うものだったら、それは引きこもっている状態と一体何が違うのか?
もちろん、単純労働をすることで友達の数が単調増加していくとか、社会生活が順調になるならばそれは間違いなく大成功であるだろう。
しかし、労働するという経験が全くない僕の観察によればだが、単純労働というのは(職種や職場によるだろうが)人を孤独にしていくような側面があるのも確かなような気がする。
現に、さまざまな単純労働を数か月とか一年単位で点々としていく単純労働者は多い。
人それぞれに職を変える理由があるのだろうが、その労働の性質に孤独があるからそのように職を頻繁に変える事になるのだと思う。
だが、そのように職を点々としている状態というのは、どのような意味で社会参加していると言えるのだろうか?
そう考えれば、僕みたいにブログをやっている引きこもりがどれくらい孤独なのかも良く分からない。
確かに、ブログを書くのはとても孤独な事である。
ブログというのは一人で書くものだし、何を書くにしても大きな反響がある事はめったにない。
それでもアクセスが単調に増え続けるならば遣り甲斐もあるだろうが、たとえば僕のブログなどはそれなりに更新をしているのにかなり前から一日のアクセスは150くらいで全く変化がない。
しかし、それでは孤独感があるか、というと別に孤独感があるわけでもない。
僕のブログは全くの無名ブログだが、理屈の上では同時に1,000,000人が僕のエントリーを読む事ができる。
ネットを通じて世の中につながっているのだ。
自分が書いているエントリーにそれなりの自負もある。
僕の社会参加の程度がどの位かは分からないが、ある程度の社会参加はなされているのではないかという感じがする。
そうなると、孤立した単純労働者と僕みたいな引きこもりブロガーとでどちらが社会に近いのか良くわからなくなってくる。
もちろん、以上に書いたことはすべて極端な議論である。
僕はこのエントリーを全くまとまっていない自分の考えをひとまずまとめるために書いている。
しかし、引きこもりが単純労働を始めたとしてもそれはおそらく通過点に過ぎない。
僕はブログがあるから(自分の能力の範囲内であれば)単純労働も出来るだろうが、普通の引きこもりだと単純労働を始めても問題はそのまま残っているだろう。
経験によって引きこもりが成長する、という考えにも僕は懐疑的だ(おそらく、コンディションがほとんどすべてである)。
まあ、社会参加とはなにか、を考えると引きこもりは結婚して子供を作らないと社会復帰にならない、という結論に行きつきそうで気が滅入るが、とにかく引きこもりが単純労働を始めたとしてもそれがゴールにはおそらくならない。
その後に何があるかが問題なのだ。
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