グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

AIがあっても英語学習の必要性は絶対になくならない

Google翻訳がある程度の成功をしたことで、将来AIによって自動的に翻訳ができるようになるから英語を勉強する意味がなくなるのではないか、という意見が聞かれるようになった。

たしかにGoogle翻訳はすごい。

もちろん今のGoogle翻訳は、英語が使える人には便利、という程度のものだが、Google翻訳を使っているとプログラムでもこれを訳せるのか!と驚くことも少なくない。

僕はAIがあらゆる英語を翻訳できるようになるとは思わない。

しかし口語的な英語は無理でもフォーマルな英語を直訳するのはプログラムでも相当なレベルでできるようになると考えている。

今のGoogle翻訳はどう見ても機械でできそうなものでも翻訳できなかったりするので、伸び代は相当あるだろう。

だから外国語の世界で機械翻訳が非常に大きな重要性を持つようになるのは時間の問題だと思う。

 

しかし、いくら機械翻訳が進歩しても英語を学習する必要性は絶対に無くならない。

これは翻訳プログラムが最も有能な翻訳家と同じレベルの翻訳をするようになったとしても変わらない。

なぜかというと翻訳を読むだけでは西洋文明とは何かを理解することは不可能だからだ。

 

もちろん翻訳というのは非常にありがたいものである。

どんなに外国語が得意な人でも外国語を読む速度は日本語を読む時と比べると数分の一、場合によっては数十分の一に落ちる。

事実関係を確認するという意味では、翻訳ですむならば翻訳だけを読んでいた方が効率はよい。

 

しかし、翻訳をするとなるとなにか重要なものが決定的に変わってしまうというのも確かだ。

 

生活をする上で、翻訳というのはいたるところにある。

NHKのニュースでも海外の重要人物がスピーチを行う場面には字幕が入るし、ネットをしていると翻訳された記事を一日に何本も読む事になる。

このように翻訳というのは日本語生活に溶け込んでいて、僕も含めて世間の人々は翻訳というものに対して違和感なく暮らしている。

翻訳というのは日本語の中にたまにあるならそれほど意識をしなくて済むし、みんな意識をしていない。

 

ところが周りに翻訳しかないような状況になると、翻訳のありがたさと一緒に翻訳の限界も分かってくる。

それが一番分かりやすいのは翻訳書で、僕も翻訳書を読む事があるが読むたびに違和感を感じる。

なんというか文章の意味と文章の精神が一致していないような違和感である。

これは文章をどう翻訳するかによって印象が相当異なるのだが、英語と日本語ではやはり違いがある。

英語と日本語では表現できる事が異なるのだ。

 

西洋文明を学ぶにはフランス語でもロシア語でもなんでもいいが、とにかくなにか西洋語を学ぶ必要がある。

どんな言語でも意味を伝える事はできるが、意味を伝達するのと精神を伝達するのとでは分けが違う。

そして西洋文明を学ぶ上で重要なのは意味ではなくてむしろ精神のほうなのである。

確かに翻訳は意味を伝える事ができるし、意味だけでなく精神のほうもそれなりに伝えるのだが(そうでなければ文学書の翻訳というものは成り立たない)、日本語を使っている限りその伝え方はどうしても間接的になる。

直接西洋語で言われたら分かる事でも、日本語に訳するとうまく伝わらない事はたくさんある。

 

西洋文明を学ぶ事は西洋語を学ぶ事で、西洋語を学ぶ事は西洋文明を学ぶ事である。

西洋文明の精神を学ぶ事の重要性は今後も絶対に無くならないから、英語学習の必要性も無くなる事はないだろう。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。 

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。