グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

CSは正しい

プロ野球で2017年度のポストシーズンの話題は、なんといっても広島がCSで敗退したことだろう。

去年、日本シリーズ日本ハムファイターズ相手に二連勝したあと四連敗した広島だったが、今年は一勝したあと四連敗だったというのから去年よりもなお悪い。

まあ、去年は「大谷君」がメジャーに挑戦する前の有終の美、という意味合いもあって、やっぱりこれだけのスターは有終の美を飾ることになっているのかな、と感心する人も多かったと思うが、今年こそは!と意気込んでいた広島ファンにとってはまさに悲鳴を上げたくなる(Crymax)ポストシーズンだったのではないか。

さて、CSというのは当然リーグ優勝したチームが敗退する可能性もあるわけで、それが実際に起こったのが今年だったが、広島がDeNAに負けたことを受けて、やっぱりCSはおかしい!という意見が聞かれた。

せっかく10ゲーム差をつけて優勝したのに三位のチームが日本シリーズに勝ち進むなんて、いったいこの一年のリーグ戦はなんだったのか?「一番強い」広島が日本シリーズに進出するべきだ!というのである。

正直、来年は広島の方がCS制度のお世話になる可能性が高いと思うが、それにしてもおかしな話だ。

そんなに公平に優勝チームを決めたいのならば、オリックスの宮内氏が主張するように、セリーグパリーグの区別などやめて12球団を一つのリーグにまとめればいい。

そうすれば一番勝ったチームが優勝するのだからこれが一番公平だし、巨人戦のためにセリーグばかり儲かるということもない(もっとも、プロ野球のテレビ中継は以前とは比べものにならないほどへっているので今はセリーグばかり儲かるということはないと思うが)。

それなのに、なんでわざわざセリーグパリーグに球団を分け、優勝チームをふたつ決めて日本シリーズをするかというと、普通、本当の強さ(あるいは弱さ)というのは一発勝負や短期決戦のようなぎりぎりの状況で初めて分かると信じられているからだ。

オリンピックの柔道競技や甲子園などがいい例だ。

オリンピックの柔道はどんな選手でも一回負けるだけで銀メダルか銅メダル、あるいはメダルなしになってしまうが、この一発勝負で金メダリストをきめるというやり方をおかしいという人はいないし、このやり方に不平を述べる柔道選手なんて聞いたこともない。

甲子園だって一回負けたらそれで終わりで、あとは泣きながら「甲子園の土」を集めて帰るだけだが(実際には泣いてない選手の方が多いだろうし、土なんて持って帰るな!と指導されていることもあるけれども)生徒にとって甲子園はあまりに過酷ではないかという指摘はあっても、一発勝負で優勝チームを決めるのを疑問に思う人は少ないだろう。

そして、一発勝負で勝者を決めてなにかおかしな事になるかというと、特にそんなこともない。

オリンピックの柔道競技の金メダリストはやっぱり金メダルを取るべくしてとった感じの人ばかりだし、甲子園で優勝するのは必ず優勝する理由がはっきりとあるチームである。

だから、リーグ戦で勝ったチームが強い、というのは話が逆で、一発勝負とか短期決戦で勝つ方が強い、というのが普通の理解であるだろう。

しかし、もしそうだとしたら、いったい日本シリーズに進出するチームをリーグ戦の成績だけで決めるのはいいことなのか、という話になる。

もし日本シリーズが本当の日本一を決めるものならば、その出場チームは本当の実力が出る総力戦で決めた方が自然である。

つまり、CSというのは、一リーグ制ではなく、12球団をセリーグパリーグに分けて日本シリーズで日本一を決めるという考えを徹底させたものなのだ。

日本シリーズの結果について、広島で三番を打つ丸佳浩は「結局、自分たちの実力がなかったということ。実力があればこうはならない」と語っている。

それはそうだ。

もし広島が本当に強かったら、二勝四敗の次は一勝四敗なんて結果になるはずもない。

だから、今回の広島の敗北はある意味、CSという制度が正しく機能していることの現れと考えるべきだろう。

CS制度では、とりあえず三位に入っておけばいいという「甘え」が生じるのでリーグ戦が盛り上がらなくなる、という意見もよくわからない。

それを言うなら、CS制度がないならないで、一位になれそうにないから諦めてしまったり、一位を独走しているから安心するという別の「甘え」が生じそうなものだし、三位以内に入ることだって決して簡単ではない。

2017年度のレギュラーシーズンでの各球団の最終成績を見ると、セリーグでは三位のDeNAと最下位のヤクルトで19.5ゲーム差、パリーグに至っては三位の楽天と最下位のロッテでは23.5ゲーム差ある。

CSは金儲けのための仕組みだとよく言われるが、僕はそうは思わない。

反対意見がある中、なんだかんだでCSが続いているのは仕組みとしてそれなりに筋が通っているからだと思う。

今後CSがなくなって以前のようなやり方に戻るとはとても考えられない。

だいたい、今のような何が起こるかわからない激動の時代に、リーグ戦の結果だけで日本シリーズに進出するチームを決めるというのは時代に合っていないのだ。

何が起こるかわからない時代なのだから、プロ野球の方も何が起こるかわからないものでないといけないのである。

来年だって案外、広島が三位から日本シリーズに進出して、そのまま優勝してしまうなんてこともあるかもしれない。

その時はCSに元々反対だった広島ファンも、CSにもいいところがあるな、と思うのではないか。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

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