グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

内申制度と間違った努力

次のような匿名ダイアリーが話題になっている。

■東京都の「不登校は中学に復帰するな」こんな指導をしなきゃいけない現状を知ってほしい。都民ファースト公明党、都議会自民党などの皆さん

 

学校に行きたい中3生に「学校に行くな」と指導する辛さ

 

皆さんは、長期欠席からの復帰を望む中3生に「学校に行くな」と指導することができますか。

この辛さが分かりますか?

東京都のある公立中学3年生の話です。

温厚すぎる性格が災いしたのか、イジメが原因によって、一時期、学校にいけない状態に。だから、内申点は著しく低いものでした。

でもこの子、勉強がすごくできる。塾で受ける模試で、偏差値70オーバー。将来の夢は大きく科学者。

中学2年生の時、地元の難関校、都立国立高校の文化祭で見たクラス演劇に感動。

「地元で最難関の都立国立高校に進学したい。そこでもう一度、リセットして再出発をしたい。」

今までだったら、このような生徒であっても、都立の進学校に行くことができました。

それは、特別選考枠といって、募集定員の1割を「内申点を見ないで当日の筆記試験の得点だけで決める」という枠があったからです。

この枠のおかげで、学力はあるけれども、病気、ケガ、イジメ……様々な事情で学校に通えない時期があった中3生の多くが救われてきました。

不登校でオール1の内申しか付かなかった生徒が、都立最難関の西高校に合格したという例は伝説として語り継がれています。

もう何年も前の話だけれども、この実話が、どれだけ多くの生徒達に勇気と希望を与えてくれたことか。

私立中学校の数が日本一多い東京都。さまざまな事情から外部の高校受験を希望する生徒も東京にはたくさんいます。

そういう生徒は、外部受験の意向を学校に伝えると、嫌がらせのように内申点を大きく下げられたりすることがあります。

残念なことですけれども、事実です。

でも、特別選考枠があったおかげで、救われてきました。

 

舛添前知事の時代に突然廃止 多くの人達の批判をまったく聞かず

 

それが、舛添知事の時に、突然に廃止された。理由は、「入試制度が複雑になりすぎる」「あってもなくても同じ」とかだったと思います。

この制度がなくなった今、東京都内の多くの生徒達が本当に困っています。

東京都には、本当に様々な生徒がいるのだ。内申点がなくても、卓越した能力を持つ中学生がたくさんいます。

そういった生徒を一様に排除したのが、特別選考枠の廃止です。

ある生徒は唖然とし、廃止を知らなかった人の中には、泣き出す親子もいました。

東京都教育委員会に電話をしてみました。困っている生徒がいるのだと。

反応はこうです。「現行の制度ではこうなので、仕方がない。」と。

では、救う手はあるのか。一つだけあります。

それは、中学校には一切通わない、ということ。

たとえ中学校に復帰できる状態になっても、絶対に復帰しないということです。

なぜかというと、1度でも学校に行ってしまうと、その時点で、学校の内申点が付いてしまいます。

内申点がついた時点で、終わりです。もうあなたは、学力相応の都立高校へ進学はできません。

1度も学校に行かなければ、内申点は付きません。判定不能です。こうなれば、高校側は内申点を除外して合否判定をしてくれます。

舛添前知事が特別選考枠を廃止した結果、今、東京都内では、実力相応の都立高校への進学を希望する生徒に、

「中学校は絶対に登校するな。1度でも登校すると、都立高校へ進学できなくなるぞ。」

と指導しています。

中学校に行きたいよね。復帰の意欲もあるもんね。

でもね。ダメなんだ。君は勉強ができる。だから、都立の進学校へ行って、たくさん勉強して、大学へ進学してほしい。

君が中学校に1度でも通った瞬間に、内申点が付いて、君の進学への道はすべて閉ざされるんだ。

ごめんね。ごめんね。


皆さんで東京都に意見を出してほしい 都民ファースト、公明、自民、皆に声を届けたい


本当にひどい制度です。

そして、その制度を、都民ファーストの会公明党小池都知事は未だに継続しています。

みなさん、ぜひこの現状をぜひ拡散してください。広く知ってください。

小池都知事都民ファーストの会の皆様、都議会公明党自民党共産党、だれでも構いません。

この状況が早急に変えられることを願います。 

東京都の「不登校は中学に復帰するな」こんな指導をしなきゃいけない現状を知ってほしい。都民ファースト、公明党、都議会自民党などの皆さん

一言で言って、内申という制度は、やったふりをする人間が得をする制度である。よく、真面目に「努力」した生徒が報われるような制度にしないといけない、ということがいわれるが、もし真面目に努力をしたのならどうして成績が悪いということがあるのか?本当に努力をしたのならば、努力の結果として当然成績はよくなるはずで、内申などを見る必要はないはずである。

内申がよくて学力が低い生徒は勉強をしているふりがうまいだけで、実際には勉強をしていない。実際に勉強をしていないから学力が低くなるのだ。一方、不登校などでろくに学校に行っていないのに成績がいい子供は本当の努力を行っている。いい成績というのはある程度の努力なしに取れるものではない。成績がいい子供は努力をするから成績がよいのであり、成績が悪い子は努力をしないから成績が悪いのだ。

内申という制度は、努力をしたふりをした生徒を評価して本当の努力をした生徒を評価しない酷い制度である。内申は、努力をしたふりを評価して本当の努力を評価しない日本社会の腐敗を象徴するもので、徹底的に破壊しなければならない。

・・とまあ、このように結論できたら話は簡単だが、現実はそれほど簡単ではない。もちろん、日本社会では形だけを見て実質を見ていないことが多いのだが(そしてこれは教育制度において著しいが)、これは現実の一面に過ぎない。

教育役人が内申に執着する理由は分からないでもない。学校教育というのは生徒の成績を上げるためにあるものではないからだ。なので、学校のいう通りに「努力」をしたら成績の方はあまり期待できないことがおおいだろう。学校の指示通りに勉強するというのは、英文法を勉強せずに英語を勉強するようなものだ。学校教育が指示する努力は、成績を上げるという観点からすると間違った努力なのである。

今から考えたら僕は中学時代から健康上かなり強烈なハンデをかかえていたのだが、それでも地元の「トップ高」に簡単に入るくらいのパフォーマンスは出せていたし、実際にトップ高に進学した。しかし、僕の成績がよかったのは僕が筑駒志望の中学生がやってそうな問題集を三回やるなどしていたからで、学校の勉強を真面目にやっていたからでは断じてない。学校の「宿題」なんか、僕は一度も出していない。

内申の問題はここにある。ひっきりなしに「勉強しなさい!宿題はやったの!?」 と繰り返す愚かな家庭に育ち、学校の教師のいうことだけを聞いた結果として成績がぜんぜんさえなかった場合、そのような生徒はどのように扱えばいいのか?

現実的なのは運用でダブルスタンダードを確立することだろう。

内申の扱いというのは地方によってかなり差があるようだが、僕の地元ではトップ高だけは内申は見ないといううわさだった。だから、内申が悪い生徒は二番手の高校よりもトップ高を受けた方が難易度的に遙かに合格しやすいとされていた。

田舎でこのようなダブルスタンダードが採用されているのにはいくつか理由が考えられるが、田舎の成績のいい生徒は多かれ少なかれ地域の期待を背負う、と言うのがあるだろう。このまま勉強を続けて、中央で成功して故郷に錦を飾ってほしい、というのは田舎では誰にでもある。だから、成績がいいなら少しの事は大目に見るのだ。これは東京出身者にはわからない感覚だと思う。勉強できる子はみんなトップ高、という図式を崩したくないというのもあるかもしれない。

東京都でも、いくつか高校を選んでそこの高校は内申を提出しなくても受験できるようにすればいいのではないか。そうすれば、内申制度の弊害はいくらか緩和されるだろう。

もっとも、私立高校の無償化やオルタナティブ教育の存在もあり、これからは公立高校もだんだんと競争に巻き込まれていくことが予想される。内申制度だって今後はどうなるか分からないが、いずれにしても、これからの学校が態度中心から勉強中心になっていくことを願ってやまない。

電子出版した本 

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。