「女流棋士ってなんで弱いの」という増田を読んで思ったこと
進化の結果だと思う。
よく、鳥とか魚などでオスとメスでは見かけがぜんぜん違うものがあるが、それと同じようなものではないだろうか。
男子と女子で何が違うのかというと、男というのは勝つことを期待されるし、勝たないといけないと言うところが違う。
水利や農地などの利権の取り合い、村と村との争い、商売上の競合、はては国家間における戦争にいたるまで、全てそうだ。
ここで勝負の結果を決めるのは、大局的には知力である。
体力であったり、根性などの違いでは大した差は生じない。
勝つためのうまい手段だったり、うまいシステムを考えた方が勝つのである。
そして、勝つために必要なアイディアというものは、一見なんの役に立つのか全くわからないものであることが多い。
もっとも極端な例が原子爆弾だろう。
原子爆弾を作るためにアメリカ人は巨大な水力発電所を建設し、流域のほとんどすべての電力をつかってウランを濃縮した。
当時のアメリカで使われる総電力の十分の一がウランを濃縮するために使われたと言われている。
原子爆弾を設計するのに必要な数値計算をするために、何千人もの人手が動員された。
当時は数値計算に使える電子計算機が実用化されていなかったからである。
そして、マンハッタン計画には、当時アメリカでもっともinnovative(創造的)な理論物理学者が総動員されていた。
普段、もっとも役にたたないことをやっている人たちがいなければ、原子爆弾のようなものはできない。
理論物理学などは一見、戦争とはなんの関係もないように思える。
しかし、いざというときに本当に決定的なのは、このように何の役に立つのかわからないような知識なのである。
そう言うわけで、男子にはもともと、なんの役に立つのか全くわからないものに興味をもつ傾向が強い。
もし、男子が全員そのようなことに興味を持たないならば、戦いに負けて集団が全員滅びてしまう。
勝つために必要なアイディアというものは、意外なところに転がっているものだからである。
一方、男子と違って女子は戦うことがない。
歴史的に、女子がやってきたことは基本的にはすべて、戦う男子や集団のための後方支援である。
家事・育児とかそういうことだ。
そのため、女子は様々なことをそつなくこなす能力が発達している。
歴史的に女子がやってきたことは、全部そこそこできないと困るが、ある一定以上の水準をクリアしていればよいというものばかりだ。
たとえば、育児などにしても、無能な親と有能な親の違いはもちろんあるけれども、一人や二人ずば抜けて優秀な親がいたところで世の中全体としてはどうでもいい。
興味関心も、ファッション・食い物・恋愛など身近なものに偏りがちである。
当然、将棋なんかには興味は持たないし、知識の範囲が身近なものに限定されるから、アメリカで使われる総電力の十分の一のエネルギーをつかえばウランを濃縮できるから水力発電所をいくつつくろうとか、何千人を集めて計算させれば必要な数値計算を実行できるというようなぶっ飛んだアイディアも出てこない。
一般的に、女性というのは何でも器用にこなすけれども突出したものは一つもない、というタイプが多い。
これは、歴史的に女性が戦いではなく、戦いのロジ(後方支援)をやってきたからだ。
逆に、男子は他のことはぜんぜんダメだが得意分野においてはとんでもない力を発揮するというタイプが多くなる。
そうでないと、チームで総力戦になったときに負けるからだ。
争いになると、それぞれの得意分野を持った人間が分業したほうが絶対勝つ。
そこそこ何でもこなすというタイプを何万人集めたところで原子爆弾はできないのだ。
このように考えると、男子とくらべて女子が将棋に興味を持たず、女流棋士が男に勝てないのは当たり前の話といえる。
女流棋士が男に勝てないのは、社会が悪いからではない。
男子が戦うことに、女子がロジをやることに最適化されているからだ。
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