ある種の「成功者」に感じる思い上がりとつまらなさ
落語家の桂 春蝶がTwitterでつぎのような発言をして話題を呼んでいる。
春蝶は単に、自分が生きてきた勤勉と人情に基づく下町的な価値観を表明しているに過ぎないと思うし、春蝶は春蝶なりに前向きなメッセージを伝えようとしているのだと思う。
冷静に春蝶のツイートを読むと、春蝶のツイートにはそれなりに人情もあるとおもうのだ。
なので春蝶の叩かれ方はすこし気の毒だが、それはそうとして春蝶のツイートはいろいろ考えさせられるツイートではある。
世界中が憧れるこの日本で「貧困問題」などを曰う方々は余程強欲か、世の中にウhttp://twitter.com/shunchoukatsura/status/965911242844995584ケたいだけ。
— 桂 春蝶 (@shunchoukatsura) 2018年2月20日
この国では、どうしたって生きていける。働けないなら生活保護もある。
我が貧困を政府のせいにしてる暇があるなら、どうかまともな一歩を踏み出して欲しい。この国での貧困は絶対的に「自分のせい」なのだ。
僕が昔からものすごい不思議に思っていたことに、「文学関係者のいうことはなんでこんなにつまんないのだろう」というのがある。
ここでいう文学関係というのは、小説家からお笑い芸人にいたるまで言葉で世界観を打ち出すことで生計を立てている人々の全般をいうことにするが、ともかくメディアに出てくる文学関係者のいうことはつまらないことがおおい。
たとえば、僕のなかでつまらなさランキングの断トツナンバーワンはミステリー作家の高村薫だ。
高村のいうことは何から何までつまらない。
まあ、アサヒ岩波文化人の高村からなにか面白い考えが出てくるわけもないけれども、それにしても高村の退屈さはひどすぎる。
高村のいうことは単なる説教に過ぎず、聞いたところで得るものは何もない。
お笑い芸人でいうならば、松本人志がおもいうかぶ。
おもしろいことをいうのが芸人の仕事なはずなのに、芸人というのは話題が社会問題などになるととたんに話がつまらなくなる事が多い。
松本人志などは典型的だが、たとえば働いていない人の話になると「真面目に働け!」と説教して終わりになってしまうのだ。
いったい何でそんなつまらない結論しか出てこないのが不思議だし、自分がいっていることが絶望的につまらないということに全く気づいていないのも不思議である。
同じことをいうなら「実は後輩の芸人がこんな仕事をしてるのやけど、楽な割には結構稼げるみたい。あいつができるならホンマ、誰でもできる。そういう仕事からはじめてみたらええんちゃうかな?まあ、この番組のせいで業界に人が来すぎて後輩がクビになったらちょっとあれやけど」みたいな話でもすればいいのに、松本の口からはゴミみたいな説教しか出てこない。
なぜ、この手の下らない説教がメディアで垂れ流されるのか?
もちろん、昼の「情報番組」を見ていてもわかるように、つまらない発言には安定した需要があるというのもあるだろう。
しかし、僕が冒頭に紹介した春蝶のツイートを見て思ったのは、(春蝶が思い上がった人間だということを言いたいのではないが)成功というのはどうしても多かれ少なかれ思い上がりを招くのではないかということだ。
そして、その思い上がりが文学関係者の発言を退屈きわまりないものにしているのだとおもう。
人間は思い上がると、考えることが止まってしまう。
考えることが止まるということは、型にはまったことばかりいうようになるということなので、当然、話の内容は退屈なものになってしまう。
おなじような思い上がりと退屈さを僕は大前研一にも感じることがある。
もちろん、大前研一の話には興味深い事例がたくさん出てくるし、氏の議論には傾聴に値するものが少なくない。
しかし、僕は大前の、優秀な金持ちを幸せにするほど世界はよくなるという世界観になんともいえない退屈さを感じてしまう。
そして、大前が展開する議論の説得力というのは、大前がなにか重要な論点を捨象することから来るのではないかと思えて仕方がない。
さらにいえば、大前の話の背景にはやはりある種の思い上がりがあると思う。
18年度の税制改正で年収850万円以上は所得控除額が195万円で打ち切られることになり、年収850万円超のサラリーマンは実質的に増税されることが決まった。年収850万円ということは月額70万円くらい。社会保険や何やと取られて手元には40万円ちょっとしか残らない。それで家のローンを払ったり、子供の教育費を払ったりしたらカツカツという世帯はいくらでもある。生活レベルから見れば、税金を引っぺがされても仕方がないような富裕層ではない。
世界ではエンジニアの初任給が10万ドルになっている時代に、年収850万円超を「稼いでいる」と野蛮に線引きして、取れるところから取ろうとする根性が実にさもしい。近代国家として恥ずかしくないのかといいたい。
日本人エンジニアの給料が上がらない理由 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
僕からすると、持ち家のローンや子供の教育費に汲々とするような俗物的人生のほうがよほどさもしいと思うし、そういう人生を無条件に肯定するところに、大前の思い上がりを感じてしまう。
東京都知事選の前と後で、大前の本質はあまり変わっていないのではないだろうか。
大前には海外からよさそうなアイディアを輸入することでビジネスをするというアイディアの総合商社みたいなところがあるから変わりようがないともいえるけれども。
まあ、高村も大前も松本人志も、それぞれの出身階級のもつ思い上がりを並べているだけなのかもしれない。
もっというと、世間そのものが思い上がりを基に成り立っているといえる。
先ほどいったように思い上がるということは思考が停止しているということだから、世間を相手にしているマスメディアでながれる発言が退屈なものになるのは仕方がない。
しかし、社会問題でもなんでもいいが、問題にたいする対応が思い上がりに基づいたものである限り、問題は全く解決しないだろう。
なぜならば、思い上がりというのは思考が停止している状態だからだ。
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