物品税化する消費税
ある意味、消費税というのは(毎日のように消費がどうのこうの、とかいっているのにひどいネーミングの税だと思うが)1989年にできたのではない。消費税の前には物品税というものがあって、贅沢品には重く、生活必需品には軽いかゼロの税率がかかっていた。しかし物品税にはどのようなものにどのような税率をかければいいかよくわからない場合が多い、という問題がある。そして、この問題を解決するために登場したのが消費税なのだ。つまり、消費税というのは形を変えた物品税で、考えようによっては導入以前から存在した、ともいえる。来年、消費税の税率が10%となるにあたり、さっそく軽減税率にともなう面倒が話題になっている。生活必需品の税率は低くする、というなら、これはもう物品税そのものだ。もちろん、物品税と消費税との間には根本的な違いもあるが、もし今後、消費税の税率が上昇を続けるなら、消費税はますます物品税のようになっていくはずだ。