グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

銀座いせよしの広告は、いったい誰をターゲットにしているのか?

「ハーフの子を産みたい方に」銀座いせよしのポスター(志水雅子)が話題に

https://togetter.com/li/1367938

ポリコレ的には、いけないザマス!としか言い様のない着物屋の広告だけれども、これって本当なのだろうか?和服を嗜むと、外国人(おそらく西洋人でおかしい者ではない、つまり高収入で社会的地位の高い外国人)と結婚できるのか?着物を着れば、周りの人というか素敵な男性が(というのは、素敵な男性にドアを開けられてもうれしくもなんともないから)いそいそとドアを開けてくれるようになるのだろうか?確かにナンパする人の数は減るかもしれないがナンパ数がゼロとなったら年収も何もない。和のものに熱中する女性は縁遠くなる、とよく言われる。和服というのはカネも時間もかかるからそのぶん「出会い」は少なくなるだろうし、着物なんかに大金を使う女をもらおうとする男性はそうそう多くないだろうが(実際は、着物なんか売り払え!と言えばすむ話だろうけれども)、そうだとすると着物を着ることを親孝行と言い切るのも微妙である。お召し物には似合う者と似合わない者があるのは和服だって変わらない。もし似合わなければカネと手間がかさむだけで惨めになるだけだろう。しかしながら、(というか、だからこそ)面倒な贅沢品である着物を売り込むには(着付けだけでどれくらいかかるのだろう)ああいう「本能的」な部分を刺激するしかないというのはそうだと思う。和服というのはつまり、煩悩を形にしたものなのかもしれない。というか、そもそもこの広告はいったいだれをターゲットにしているのだろうか?もし、ターゲットが世の中の女性全般とかんがえたら、この広告は見当違いに見える。しかし、もしターゲットが、着物代くらいポンとでてくるし着物を収容するスペースもふんだんにある広々とした一軒家に住んでいる大金持ちで、高学歴で着物がよく似合う「としごろ」の娘を持つ親に、娘さんの婚活に着物を活用しましょう!と呼び掛けるものだったら、この広告はものすごくよくできている。ハーフの子供を産みたい方に、というとちょっと無理があるようにも思うが、ハーフの孫を持ちたい方に、というとこれは非常によくわかる。着物は買うものではなく、買ってもらうもの。カネも学歴もない女があくせく働いて得たカネで着物を買ってもろくなことにならないよ、さらに和服というのは戦略的に利用すべきある種の戦闘服で、和服を着て浮かれているだけでは幸せになれないよ、そこらへんのことをよく考えて親子そろっていらっしゃいね、というのが、案外、この広告の本当に言いたいことなのかもしれない。いずれにせよ、この広告は、和服の本質を踏まえた上で、人々の煩悩を直撃する素晴らしすぎる広告だと思う。