グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

ドイツみたいに日本が反省するわけない 7

「日本は植民地主義を乗り越えるチャンス」…'日韓通'の韓国市民運動家が見る日韓の葛藤

https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20190814-00138415/

日本はドイツみたいに反省せよ!とは、一部の左翼と韓国人が一年のうち365日唱えている念仏であるけれども、なかなかそうならないのは、結構中国との関係が大きいかもしれない。戦中に大きな被害が出たのは、なんと言っても中国大陸である。中国は実際に戦場であったから本当に怖ろしいほどの被害が出たのだが、問題は、この時に日本軍と戦っていたのが国民党だったことにある。共産党は何をしていたのかというと、争いを逃れ中国の奥地で事態を静観していたのだ。結局、日本と国民党は共倒れになって、共産党が漁夫の利を得る形で中華人民共和国を設立したが、この中華人民共和国の成り立ちは中国政府にとっていささか都合が悪い。なぜなら、日本による戦争犯罪をあんまり追求しすぎれば、そのとき共産党は何をやっていたのだ?と、政権の正統性の問題が出てくるからだ。この問題の扱いを間違えば、下手をすると台湾独立の口実を与えることにまでなりかねない。だから、中国政府と、中国政府の管理下にあるメディアは歴史問題を取り上げることに消極的だ。結局、共産党による独裁政権がある種の「未来志向」を実現しているわけだが、それに加えて、戦後中国が鉄のカーテンの向こう側にあったこと、過去をごちゃごちゃ言っても何の利益にもならない、逆に、そんなことは忘れるのが将来の利益を最大化する、という中華的なメンタリティーもあって歴史問題は日中関係の問題とはなっていない。中国だけではない。他の旧植民地も、多かれ少なかれ被害はあったはずなのに、それらの国は特に歴史問題を問題としていない。そうなると、韓国人だけに「謝罪と賠償」するのではバランスが取れない、というわけで、日本はドイツみたいに謝罪しないし、日本の歴史問題はどうもいまいち盛り上がらない。一部の左翼と韓国人が夢見る理想的な戦後など始まるわけもないのである。