グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

温暖化と格差とグレタ・トゥーンベリ

BBCを見ていたら、なんかの女優が公演かなんかで地球温暖化対策の重要性について話していた、みたいなニュースを少しだけやっていた。地球温暖化の問題は「セレブ」が何を言おうが無駄だと思った。無駄であるどころか逆効果かもしれない。というのは、地球温暖化対策の影響は金持ちよりも貧民の方が受けやすいからだ。先ほどパリで起きた暴動がいい例だ。地球温暖化対策と称して、マクロンはガソリンにかかる税金をあげる一方、「エコカー」に補助金を出すとした。郊外に住む貧民は、職場に通うために大量のガソリンを消費しなければならない。乗っているのは別にエコでもなんでもないオンボロの中古車などで、エコカーなどの贅沢品など買えるわけもない。マクロンの政策は実質的に、貧民から金を取り上げ、金持ちに配分するものであるのだ。もっと言えば、職場から歩いて五分ほどの場所に住むだけの金があるならば、通勤に伴うCO2排出量はゼロである。そうなると結局、金があるのは善であり金がないのは悪である、という話になってしまう。温暖化対策関連の活動家からはこのような問題意識がまったく伝わってこない。地球温暖化問題の活動家で、貧困政策に同じくらいの熱意をもっと取り組んでいる人がいるというような話は全然聞かれない。グレタ・トゥーンベリが憎まれる原因もこれである。親がオペラ歌手で、不登校になっても親から殴られる代わりに不登校も個性であると認められ、さらにはソーラーパネルで動く船で国連の総会に乗り付ける。パリ郊外に住む貧民からすると気が遠くなるような特権だ。そしてグレタ・トゥーンベリが「大人」に向けて説教する間(すべての子供がグレタ・トゥーンベリに好意的であるとは、僕にはとても思えないが)パリ郊外の貧民のことをグレタ・トゥーンベリが考えるなんてことは一瞬たりともないのである(考えることがないから説教なのだ)。リベラルな政策を持続的な形で実行するには、裕福なリベラルが特権を放棄する必要がある。そして、これが最も難しい部分なのだ。