グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

大学制度への信仰

終わらない氷河期~疲弊する現場で:空いたポストは若手に…「はしごをはずされた」 50歳大学非常勤講師の絶望 - 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20200201/k00/00m/040/145000c

このように困窮する非常勤講師を大量に生産するような教育制度が変なものであることに疑問の余地は全くないが、しかしながらもっといえば、そもそもにして大学という制度そのものが変だからこういうことになっているとも言える。しかし、記事に取り上げられている非常勤講師の話を読む限り、そこに社会に対する不満はあっても大学制度そのものに対する懐疑は一切見られない。そして、そういう懐疑の精神が不足しているから非常勤博士はみんなして同じようなことになっているのではないだろうか。こういう非常勤講師はパーマネントのポストに採用されて一刻も早くこの地獄から抜け出したいに違いない。しかし、そう考えることで同時に、こういう非常勤講師はこの地獄を肯定しているのである。なぜならば、常勤講師の生活は非常勤講師の地獄を前提として成立しているのだ。研究者ならばもう少し、これまでとは違う知のあり方を模索するべきなのではないか。記事に取り上げられている非常勤講師にしたって、本当に自分の研究が日本の民主主義に関係があるというのならば啓蒙書の1冊や2冊があって然るべきだ。もし学識というものに本当に価値があるならば、それは様々な形で活用出来るはずである。それができない大学教師はそもそも大学教師として(特に今の時代には)適当でないようにも思う。