グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

小池知事

東京都知事は結局小池百合子になった。まあ、自然な結果だったと思う。

当初は接戦になると思っていたけれども結果は大差での当選だった。小池が290万票で増田が180万票、鳥越は135万票くらいという結果だった。増田の1.6倍、鳥越の2.1倍ほどの得票をして当選した事になる。

こういう知事選挙というのはタレント関係の政治家が強くて、青島幸男石原慎太郎もタレント出身。だから小池百合子が知事になったとしてもおかしくはなかった。でもさすがに小池が知事になるとは想像していなかったけどね。

一連の動きで小池が見せた政治的なカンはさすがという他はないが、なによりも対抗した増田と鳥越がどうしようもなかった。まず増田だが(はてなでブログをやっていると匿名ダイアリーを連想してしまって困るのだが)なんか岩手県で知事をやっていた頃の実績を売りにしていたわけだけど、増田が県知事在職中にやっていた事には失敗も少なくないと思う。

たとえば、テレビで候補者として出演したさい、岩手県立大学の設立を実績のように話していたけれども、あれを実績とするのはちょっと微妙かな?と思う。

岩手というのは国公立の医学部がない。私立の岩手医大があるだけで、国公立の医学部がない都道府県は岩手だけ。だから岩手に国公立の医学部を作ろうという話は今までもあったんだけれども、その度に関係者が猛反対して頓挫したらしい。

もしそれら関係者の反対運動を潰して、岩手県医大の設立か、岩手大学医学部の新設にこぎつけたとしたら増田は文句なしの名知事といってよかった。しかし500億使って出来た大学は医学部なし。結局、国公立医学部創設のチャンスを潰しただけという結果に終わってしまった。

地方に国公立の医学部がないというのは、いろいろ問題なんだよ。岩手のさえない状況もかなりこれが原因ではないか。地方の県1つにつき1医大というくくりがあるんだろうが、その医大が他県は国公立なんだからどうか?と思う。僕が増田だったらその500億で岩手医大を買収した。それが無理だったら、県でカネをだして岩手医大を日本一学費が安い私立医大にしたと思う。

他にも、ファーストクラスがどうとかいう話などはどうでもいいと言えばどうでもいいけど、増田をぜひとも東京の知事にしよう、と自発的に動く人をあまり見なかったのも気になった。

一方、もしかして勝つのでは?といわれていた鳥越だけど、都知事選なのに9条とか原発反対などの御託を並べているのはどうしようもないと思った。

これが例えばテーマが貧困撲滅の一点だとしたら、勝てるかどうかはともかくとしてまだしも結果はマシだったと思う。原発ゼロになって9条がそのままでも、生活が困窮してたら何の意味もない。それが常識というものだが、鳥越みたいなセレブ左翼は貧困問題とかには大して興味をもってない。だから9条改正反対、原発反対なんだと思う。

その上週刊文春に過去に起こしたトラブルを書かれて、本当にやめとけばよかったのに、という感じだったが、セレブ左翼というのはこんな感じだよ、という事が広く知られるという事には一定の意義があったかもしれない。

鳥越が知事になったら大変ということでネット世論は完全に小池でまとまっていたと思う。でもその支持はどちらかというと「断固とした消極的支持」とでも言えるもので、積極的に小池を支持する人は少なかったと思う。もちろん小池の政治的カンそのものは高く評価されたが、小池の政策に期待をしている人はあまりいないのではないか。ネット世論もこれからの小池の活動に期待、というよりひどい都知事でなくて良かった良かった、というような感じだった。

都知事を東京のイメージキャラクターとして見た場合、たしかに小池が知事になるというのは自然な事だと思う。子供なしの独身女性、国際経験のある64歳である小池はたしかに東京の今を象徴した存在かもしれない。小池の体現するある種のしがらみのなさ、所帯感のなさはいかにも東京的である。

僕がもつ小池の印象は小泉純一郎の女性版という感じかな、というもので大して期待はしていない。しかし、もちろんやるからには大成功していただきたいものだと思う。