グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

一日のPVが一日だけ6,000になって思ったこと

大統領選の前、僕は大統領選に関連する英文記事を5つ翻訳してブログに掲載した。

翻訳をするのは生まれて初めてだったのだが、思ったよりもはるかに大変だった。

翻訳をしてみる前は、翻訳なんて英語をただ日本語にするだけなんだから簡単だろうと思っていた。ところが、やってみると英語を直訳したのでは全く読めたものではなく、原文の構文を捨てて完全に新しい日本語を作文しなければならなかった。

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翻訳にかかる時間も、始め考えていたよりも10倍くらい必要だった。翻訳というのは読むのがあっという間だからこの程度の量ならすぐに翻訳できるのではないか、と思うけれども、実際訳してみると長いものは丸一日かかった。翻訳にこんなに時間がかかるというのは全く予想外だった。

それからもう2か月も経つのかと感慨深いが、今読み返すと大統領選挙をやっていた当時の雰囲気がよくわかるので、ここで改めて記事の紹介と感想を記したい。

ワシントン・ポストの記事

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過去200年間の大統領選の歴史的データを元にトランプの勝利を予想したアメリカン大学(ワシントンD.C.にあるらしい)の歴史学者、アラン・リットマンにインタビューした記事である。

実はトランプの勝利を予測していた研究者は何人かいるのだが、リットマンはその中の一人ということになる。

現役の議員の目からみた、トランプ氏の勝因。 | 横尾俊成

変わるアメリカ――2016年アメリカ大統領選挙戦を読み解く(上) | 現代アメリカ | 東京財団

物事を客観的に見るという事はどういう事かを考えさせられる記事である。

ちなみにリットマンはトランプが過去の違法行為のために弾劾裁判にかけられるだろうと予想している。もっとも、この予想には歴史学的な根拠があるわけでもないのだそうで、弾劾裁判になった場合は失脚するだろう、とも言っていない。

テレビでコメントを聴く限り、トランプを極めて好ましからざる人物と考えているようである。

ニューヨークタイムズの記事

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トランプを理解する上で非常に重要なのは、トランプがニューヨーク出身のニューヨーカーであるという事である。したがってその価値観は基本的にはニューヨーカーのものであり、平均的な共和党支持者のものとは大きく異なっている。今回の選挙戦では自由貿易に対する反対など既存政党のものとは全く異なった主張ばかりが注目されたが、具体的な政策をみると民主党的なものがかなりある。

この記事はトランプのニューヨーカーとしての側面に注目して、トランプという人物がニューヨークの上流社会でどのように位置づけられているかを説明したものである。トランプというのは世間に流通するイメージと実態が大きくかけ離れた人物だが(それは本人がそのようにしているわけで、世間はこのトランプの実体ではなく虚像の方を相手にしているわけだが)、ここでは等身大のトランプがどのような人物であるのかが書いてあり、トランプの政策の背景を理解する上で有益である。少なくとも「良識的なアメリカ人」が垂れ流す金太郎飴のような空論を読むよりはよほど役に立つ。

それにしても、トランプが当選したことでニューヨークの社交界には何か変化があるのだろうか?

ティールのスピーチ全文

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ピーター・ティールがアメリカの現状をどう認識しているのかがよく分かる演説である。これまで世間とは全く逆の考えに基づいて世間の愚かさを証明してきたティールだが、今回もティールは正しかった。

不思議な事に、今回の大統領選挙の大騒ぎでティールの存在は全くと言っていいほど取り上げられなかった。せいぜいティールのトランプ支持が大顰蹙を買っているという下らない取り上げられ方をされるくらいで、選挙期間中ティールの存在は主要メディアから完全に黙殺されていた。この事自体が逆にティールの存在感を示していると言えるだろう。

ティールはトランプの政権移行チームにも参加している。従って、今回のトランプ政権の閣僚の選考にはティールの意向も働いている。今回の政権交代はティールの考えを実行に移す絶好の機会である事を忘れるべきではない。

ある意味、愚かなリベラル派には「で、お前はティールより頭いいの?」と言えばすむ話ではある。

ロスアンゼルスタイムズの記事

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オバマの懸念通りノースカロライナでヒラリーは敗北したわけだが、今読むとその意味でも味わい深い記事である。黒人の政治活動のあれこれについて書いてある。

僕はこの記事を読んで初めて知ったのだが、アメリカには学生が黒人ばかりの黒人大学というものがあるらしい。おそらくは黒人が白人の大学に入学できなかった時代に始まったものだと思うが、どんなマイノリティーがどんな大学を運営しているのか心配になる。

共和党の黒人有権者に対する投票妨害に関しては注意を要する。たしかにすごい話ではあるが(オバマはよほど悔しかったのか、退任演説でも「もっと投票しやすく」というような事を言っていた。この発言の背景はこれである)、過去に民主党側によって行われた不正投票というのは実際にあったし、民主党の活動家がかなり強引な手段でマイノリティー票を集票しているという現実もあるというのは覚えておくべき事であるだろう。

The Nationの記事

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アフリカ系英国人がリベラル原理主義の雑誌Nationに書いたものである。非常にうまく書けている。日本語に翻訳してもうまく書いてある事が分かる。アメリカ人には書けない種類の文章だと思う。

ある意味、ヒラリーが主張というのは基本的には現状維持である。アメリカは正しい方向に進んでいるが(オバマのおかげで)、まだ成し遂げなければならない事がある、というものだ。

しかし、こういう理屈が通用するのは人々の生活レベルが向上している場合だけで、そうでないならば「アメリカが正しい方向に向かっているのに、どうして生活が苦しくなる一方なの?」と言われて終わりである。そういう有権者にはヒラリーらは単に無能に見えるだけであるだろう。

一日6,000PV

これらの翻訳をしたのは一度翻訳をやってみたかったからだけれども、実はそれ以外にも理由があった。もしこれらの記事を翻訳した場合、世間の反応が一番大きいのはどの記事なのか知りたかったのだ。

結果としては、Nationの記事が200ブックマークを集めて最も反響が大きかった。一日のアクセスも6,000を超えた。もちろん次の日には2,000ほどになったのだが、一日のアクセスが6,000というのはものすごい。数秒に一度アクセスが来るという状態を初めて経験した。

これまで一月20万PVと言われてもいまいちピンとこなかったけど、そういうブログといのはこういう状態が一年中続くのか 、ということで印象が変わった。

Nationの記事だけ特に反響が大きかった理由は分からない。たしかにいかにもはてな受けしそうな論調だが、他の記事も反響を呼ぶような要素はあったと思う。トランプの記事ならば海外生活の経験者がニューヨークの生活の話で盛り上がるかもしれないし、ティールの演説だって非常に重要なものなのだからもう少しコメントがついてもおかしくなかった。

結局、世の中でどういう事が受けるか、と考えるのはあまり意味がなくて、受けるまで記事を書き続けるというのがただ一つの方法なのだろう。

読者数はたしか2,3人増えたように記憶する。

その後

どうもなっていない。今は一日に数回読まれる程度だ。この出来事がブログ全体のレーティングにどう影響しているかは分からないが、この程度のバズでは単にバズがあるだけで、それ以上の大きな出来事があるわけではない、という事が分かった。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。