グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

リベラル思想と「免罪符」

次のような匿名ダイアリーのエントリーを読んだ。

リベラルがよく言うこの理屈は、もう胡散臭くて信用されないものになってしまったと思う。
この理屈からは、右翼のトリクルダウン理論と近いものを感じる。

右翼の言い分が「強者に尽くせば最終的には貴方も得をする」であるのに対して
左翼の言い分が「弱者に尽くせば最終的には貴方も得をする」だと言う事だ

この両者の言い分が両方とも嘘であるならば、真ん中にいる人間の現状は、上と下の両方から搾り取られているようなものだろう。

福祉の削減や、弱者の切り捨てに賛成する人間の事を、「正しい損得勘定勘定のできない人間」というニュアンスを込めて、「肉屋を支持する豚」と呼ぶ事があるが、本当にそうだろうか?
「弱者に尽くせば最終的には貴方も得をする」という言い分がトリクルダウン論者の言うそれと大差ないとしたら、弱者に尽くす者こそむしろ正しい損得勘定のできない人間ではないだろうか?

もちろんこのような言い分に対して「弱者に尽くす事は損得勘定以上の意味合いがあるのだ」と言う事はできるだろう。
しかしそのような事を言えば、「弱者を救えば最終的には貴方も救われる」という言葉はますます嘘くさい物になり、信用を失うだけである。

私は冒頭で述べたように、「弱者を救えば最終的には貴方も救われる」という言葉はすでに胡散臭くて信用されないものになってしまったと思う。
福祉のリソースに上限があるという現実は、すでに十分見えてしまった。ここから先は綺麗事の通用しない奪い合いが繰り広げられる事になるのではないだろうか。

このようなエントリーを見ると、大手マスコミが布教しているリベラル思想に対する懐疑の広がりを改めて感じる。

リベラル思想というのはもう、免罪符のようなものと見なされはじめているのではないだろうか。つまり、リベラル思想は結局、自分はリベラルな考えを持つ高潔な人間なのだから少しくらいの特権を享受していても文句をいうな、というような正当化の道具に過ぎないのではないか、ということだ。

例えば、グローバル化を支持する人間は必ず、世界的にはグローバル化によって貧富の格差は減少している、グローバル化によって途上国に住む住人は貧困から抜け出しつつある、というような事をいう。

これは事実だし、建前としては途上国の人間も日本人も同じ程度の人権があるべき、ということになっているので反論することが難しい。しかし、グローバル化を支持している人間は別に、途上国の人間の人権が尊いからこのような事を言っているのではない。「自由な社会」の中で社会的リソースにただ乗りし、フリーランチを食いまくりたいからこのような事をいっているだけである。

日本の政治がネオリベ思想に基づいて行われるようになってもう30年ほどになるが、その間に日本社会は正しくなったのだろうか?もしネオリベ思想が正しいならば、日本国内においてもどんどんと正しい事が行われて、今ごろはすでに日本社会の隅々にまで正義がいきわたっているはずだが、今の日本社会を見ると、かつての日本社会と比べて正義がいきわたっているようにはとても思えない。

どうして日本社会において正義がいきわたるという事がないのか?それはネオリベがいうような「抵抗勢力」による抵抗もあるにはあるが、基本的にはリベラル派にとって(それはネオリベ保守からネオリベ左翼まで、日本の既得権益層のほとんどなのだが)リベラル思想が免罪符のようなものだからだろう。

建前では綺麗事を言いながらも、本音では自分が得をする事しか考えていないから「改革」というのは一向に進まないのだ。リベラル派が言う事で実際に実行されるものは、リベラル派が得をする事ばかりである。世界的にみられるリベラル思想の退潮は、世間がリベラル派が何をやってきたか薄々気づき始めている事の現れなのではないだろうか。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけでプログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語の勉強をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。