グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

アメリカの農家と幻想の小さな政府

今日BBCをみていたら、トランプに投票した農場主を特集していた。よく分からないが、番組によるとトランプ政権の通商政策により収入が60,000ドルから12,000ドルへと激減したという話だった。

その農家がトランプに投票した理由は、「小さな政府と自助努力」を信じているからだという。たしかにその農場主の60,000ドルレベルの小規模農場の情景を番組でみていると、アメリカの地方でなぜ「小さな政府」が人気なのかが分かるような気がする。それら目の前にみえる農場はすべて彼ら自身が勤勉を通じて勝ち取ったものであり、農場主は農場の経営に全責任を負って農業を営んでいるのだ。

しかしながら、目の前にみえる農場がすべて彼ら自身のものであり、彼らが農場の経営に全責任を負っているということは、彼ら自身の力だけで農業を営んでいるということを意味しない。

まず農業が中央政府からの巨額な補助金でもって成り立っているのはアメリカでも同じである。これらの補助金がなければアメリカの農家はやっていかれないのだ。

水路などの様々な農業インフラにも巨額な投資が行われている。どれも農家が投資をしているものではない。アメリカの農家が農業をするのに必要不可欠なインフラはすべて、行政が巨額な投資をして計画、施行、運営されているのである。

農業をするには石油がなければどうにもならないというのは一部ではよく知られていることだが、これだって国家が軍事力などを通して安定して供給しているのだ。

これらを考えると、農業というのは「小さな政府と自助努力」を信じる農家が否定する「大きな政府」なしでは全くやっていけないものであることが分かる。それはトランプ政権になって収入が60,000ドルから12,000ドルになったというエピソードにもあらわれている。もし農家が「小さな政府と自助努力」でやっていけるのなら、なんで収入が60,000ドルから12,000ドルになるなんてことがあるのか?

番組に出てきたような熱心な共和党支持の零細農家の収入を60,000ドル確保するために「大きな政府」というのはある。ある意味、零細農家が「大きな政府」を否定するのはとんでもない思い上がりであり、天につばを吐く行為といえる。

番組に出てきたいかにも善良そうな零細農場主(それはもちろん、番組に出てきた一人ではない)を批判するようなことはいいたくないし、「小さな政府と自助努力」の理念自体は大切だが、政府をダウンサイジングすればすべての問題が解決するという考えは幻想に過ぎない。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。