互助会がなくなってはてなはつまらなくなった
どうも最近、山月記関連のエントリーが読まれているようなのだが、その中にブッマークが200くらいのものがあって懐かしかった。
その頃、というか考えてみたらせいぜい1、2年前のことなのだが、はてなの大物ブロガーというのはとてもわかりやすかった。つまり、はてなの大物ブロガーというのははてなブックマークのホットエントリーにしょっちゅう上ってくるブロガーのことだったのである。ホットエントリーにのせれば大物ブロガーになれるのだから、有名になりたい人は(あるいは、有名になることでカネも儲けたい人は)こぞってブックマークをあつめ、エントリーをホットエントリーに載せるために少なからぬ時間と体力を使っていた。要するに互助会だ。
これにたいして、はてなの一部では互助会を厳しく取り締まるべき、という意見が強かった。個人が意図的にブックマークを集めてホットエントリーに入るなら何のためのキュレーションサイトなのか、ということだ。この問題を解決するのは簡単で、はてなブログについたブックマークの重みを例えば東洋経済のエントリーについたブックマークの十分の一とか二十分の一に見積もればいい。つまり、はてなブログに十とか二十ブックマークがついてやっとブクマ一つ分、という風にすればいいのだ(「理想」をいえば、互助会ブクマとそうでないブクマでは重さを変えるべきだ)。はてなの運営がこの対策を取ったのが2017年の夏ごろのことで、これ以降はよほどのことが無い限り、いくらブックマークを集めてもはてなブログのエントリーはホットエントリーに載らなくなった。
その結果どうなったか?はてなから大物ブロガーが消滅した。はてなの大物ブロガーというのははてなで有名なブロガーのことだったわけだが、ホットエントリーにエントリーが載らないならば有名もなにもない。 結局これらの大物ブロガーはそろってWordpressに移転した。
はてなブログがホットエントリーにのらなくなって互助会はなくなったが、そのかわり他のブロガーが何をしているのか全く分からなくなった。つまり、はてなブログのコミュニティがそのまま無くなった。はてなの運営ははてなブログのコミュニティと「運営ガー」というノイズを処理するためのコストを比べて、ノイズ対策のほうを取ったのだろう。
はてなブログのコミュニティーがなくなって、どうなったか?僕個人としてはあまり変わらなかった。そもそも互助会がなくなる前からして、なにか変わったことがあったわけではなかった。僕がいくらエントリーをホットエントリーに載せても、そのときだけアクセスが7,000とかになるだけで読者が増えたという実感は全くなかったし、実際に増えていない。なのではてなブログのエントリーがホットエントリーに載らなくなっても、僕のブログには何も影響がなかった。
しかし、はてなから大物ブロガーがいなくなってはてなはつまらなくなった。昔だったら世の中で何か動きがあれば、すかさず大物ブロガーがそれをテーマにエントリーを書いた。それらのエントリーはまったく下らないものも多かったが、下らないならそれに対して多くの傾聴に値するエントリーが書かれた。いやむしろ、大物ブロガーが書く記事がくだらないほど議論はもりあがり、面白いコンテンツが生産されていたとおもう。
もちろん、ブログというのは他のブロガーのエントリーを読まずに書けるし、僕の書くエントリーもブログを読んで、というものはあまりない。僕がブロガーとしてやっていることは昔も今も全然変わりないし、やりがいみたいなものも昔と変わりない。しかし、互助会がなくなってはてなはつまらなくなった。
なんだかんだではてなの有名ブロガーは面白い人が多かったと思う。そして互助会を批判しているブロガーは、面白い人もいたが全然つまらない人も多かった。全体的にみると、互助会ブロガーのほうが互助会を批判するブロガーよりもはてなのコミュニティーに貢献していたと思う。普通に考えれば、互助会をやっている大物ブロガーのおかげではてなが盛り上がっていたというのは簡単に分かることだ。
はてなの運営は、そろそろ互助会を解禁したらどうだろうか?「互助会ガー」みたいなクレームは「互助会」というキーワードを設定してフィルタリングを掛ければいい。別に大物ブロガーがいなくてもはてなは続いていくけれども、将来のはてなにはやはり大物ブロガーがいたほうがいいと僕は考える。