グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

悲劇と平和

ソレイマニ司令官の爆殺によって生じた中東情勢の緊張はイランのおざなりというしかない米軍基地への攻撃によって(「殉教者ソレイマニ」という作戦名だそうであるが)一気に沈静化したが、ウクライナ機の撃墜はまるでダメ押しであるかのように、それまで起こった何もかもを吹き飛ばした感がある。撃墜の後で各国指導者が示した安堵の表情は忘れられない。亡くなった一人ひとりとその関係者にとっては悲劇でも、政治的にこの事故はなんとも都合のよいものだった。乗客の多くはカナダの大学に留学しているイラン人で、頭の中のかなりの部分が西洋人と同じになっているような人々である。ソレイマニ司令官を崇拝していたような層(カナダに留学するなどのような高等教育にはなんの関係もないような階層)にとって、これらの人々はほとんど敵のようなものだろう。それが、そういう人々がああいった形で百数十人亡くなったのだから、この撃墜はソレイマニ司令官の爆殺とちょうど釣り合っていると言えなくもない。ウクライナ機の撃墜によって、ソレイマニ司令官の爆殺によって生じたバランスの狂いは完全に調整されたと思う。