トヨタとカーシェア
トヨタがカーシェアに参入するらしい。実はこれはそれほど唐突な話ではない。なぜなら、トヨタはグループ会社でレンタカーをやっているからだ。そして、カーシェアリングで大打撃を食らっているのがレンタカー業界なのだ。なので、トヨタは前々からカーシェアリングなどのシェアエコノミーの動向に注目していたはずだ。背景には、労働環境の変化によってクルマを購入・維持することが難しくなっている層が急速に増大していることがある。クルマが売れないとクルマの値段を上げないと採算が取れない。実際、今のクルマは下らない軽自動車でもびっくりするほど高くなった。しかしクルマが高いと当然、クルマは売れず、クルマ離れが進行する。「車なんかカネがかかるし、危ないじゃん」みたいな感じで、クルマは酸っぱいブドウになりつつある。このような悪循環を打破するためにトヨタが考えた一手がカーシェアリングなのかもしれない。さらに、カーシェアリングは新車のセールスにも影響しうる。普段カーシェアリングで利用しているクルマが好印象だった場合、新車を買う際に同じクルマを買うのが安心と考える人は相当いるだろう。なんだかんだで、クルマに乗ってみれば自分の車が欲しくなるものだ。しかし、それには、まずクルマに乗ってもらわないことには話にならない。このように考えると、トヨタがカーシェアリングに参入するのはそれなりに合理的だと思う。まあ、トヨタがやることなのだから合理的なのは当たり前なのだが。
物品税化する消費税
ある意味、消費税というのは(毎日のように消費がどうのこうの、とかいっているのにひどいネーミングの税だと思うが)1989年にできたのではない。消費税の前には物品税というものがあって、贅沢品には重く、生活必需品には軽いかゼロの税率がかかっていた。しかし物品税にはどのようなものにどのような税率をかければいいかよくわからない場合が多い、という問題がある。そして、この問題を解決するために登場したのが消費税なのだ。つまり、消費税というのは形を変えた物品税で、考えようによっては導入以前から存在した、ともいえる。来年、消費税の税率が10%となるにあたり、さっそく軽減税率にともなう面倒が話題になっている。生活必需品の税率は低くする、というなら、これはもう物品税そのものだ。もちろん、物品税と消費税との間には根本的な違いもあるが、もし今後、消費税の税率が上昇を続けるなら、消費税はますます物品税のようになっていくはずだ。
今時の子供っていつ頃から整髪料使い始めるの?
いま、バスで前の座席に明らかに小学生とみられる子供が二人、前後に座っているのだが、そのうち僕の座席の前に座っている方の男児が明らかにワックスを使っている。はっきりいってぜんぜんワックスを使う必要性を感じないというか、全然さまになっていない。今時の子供というのは様になってもないのに整髪料を使い始めるのか、と驚きながらその頭髪を眺めていたら反対側の座席に座っている女子2人と座席を移動するか相談し始めた。見るとこちらの2人は整髪料を使って前髪を固めている。のみならず化粧までしているのだ。印象的なのは、この3人の外見がまったく華やかなものではなく、かなり地味だったことで、化粧とかをすると地味な外見がますます地味なものに思われる。そんなでも整髪料やら化粧品などをつかうのだなあ、ということに驚きながら時代の変化を感じた。
官僚は蔑みの対象になり始めていると思う
「消費税率引き上げまで1年 軽減税率準備が課題」とNHKがやっているのを見た。財務官僚にたいする強い蔑みの感情が心に浮かんだことに自分でも驚いた。僕には、財務官僚が消費税率を引き上げるためにきちがいみたいになっているのは保身のためで、国家のためでは断じてない、という確信がある。消費税というのはよいものなのか悪いものなのかがはっきりしていない。本質的には悪いものだと僕は思うが、この問いの答えを知っている人は世界で一人もいないはずだ。それならば、消費税を下げてみて社会に与える影響を実証することが必要なのに、財務官僚からはこの当たり前の考えが出てこない。僕は、財務官僚のみならず官僚全体が一部のエリートから蔑みの対象になり始めているのではないか、と思う。官僚の激務だって、要は非効率な業務を改善するだけの知能が官僚にないから激務なだけで、現に官僚出身の政治家からは現状を変革するような考えが一向に出てこないではないか、みたいな感じに思う人は結構いるのではないか。もちろん、官僚になりたい人は非常に多いが、霞が関に行くなんて陸軍士官学校に行くようなもの、やべーやべー、と考える人が増えてくると、今後ますますリクルーティングがうまくいかなくなってくるかもしれない。しかしながら「最優秀」の人たちが国を運営してきた結果が今の体たらくなのだから、却ってそのほうがましな人材が採用されるのかもしれない、とも思う。霞が関を変えるのは簡単で、これまでとは違った人材を採用すればよい。実際にいままでとは違った人材を採用できるか、官僚の実力が問われることになるだろう。