改憲は無理
正直、憲法改正なんて無理なんじゃないだろうか?普段あまり意識していなかったのだが、考えてみたら3分の2というのは相当に強い条件だ。この条件だと、自民党に対抗する勢力が3分の1を下回らなければならない。こんなことはよほどのことがない限り起きないし、しかも今回見るように起こったとしても長続きしない。いまの若い世代は自民支持が多いのでそのうち有権者が入れ替わる、というような可能性も、野党だって現実に対応していくのだから疑わしい。もちろん、有権者が入れ替わらなくても野党が憲法改正に賛成すればよいのだが(改憲派にとって都合がよい、というだけの話だが)これは自民に塩を送るようなものだから実際にはできない。最大の問題は、憲法を改正する必要性がたいしてないということだ。自衛隊が違憲であると考えている人は世間にはほとんどいないし、世界で特に差し迫った有事があるわけでもない。覚えているだろうか?一時期は連日のように尖閣諸島に関する争いが報道され、まるで中国が明日にでも侵略してくるかのような雰囲気だった。北朝鮮の核兵器の問題も、一時は戦争になるのではないかとまで懸念された。いま、これらの問題はすっかり忘れ去られている。一大事に見えて、数年で忘れ去られるようなものだったということだ。結局は憲法を改正して一生懸命に自衛隊を自衛隊以外のものにする必要がどこにも見当たらない。これからもそのような事態が生ずるような感じもしない。それでは軍事面以外で憲法を改正する必要があるかというと、これは全く存在しないと言っていいわけで、それに加えて改憲派に憲法を改正する資格があるのか?という問題を考えると、世の中がひっくり返るような異常事態がない限り改憲なんて無理だと思う。