資本家性善説とその終わり
ここ数十年、世界は「資本家を優遇するのが社会のため」と信じてやってきた。その背景には「金持ちは善良だから金持ちなので、金持ちの善意を信じて金持ちの思うようにやらせよう」みたいな一種の性善説があったと思う。しかし、このように金持ちを優遇しても、金持ち側から出てくるのは金持ちに都合のよい話ばかりで問題が一向に解決しないことはもはや明らかだ。金持ちの善意などには見切りをつけ、「個人が大金を持っていてもろくな事にならない」という常識に立ち返ることがこれからの社会に必要だ。
トヨタとカーシェア
トヨタがカーシェアに参入するらしい。実はこれはそれほど唐突な話ではない。なぜなら、トヨタはグループ会社でレンタカーをやっているからだ。そして、カーシェアリングで大打撃を食らっているのがレンタカー業界なのだ。なので、トヨタは前々からカーシェアリングなどのシェアエコノミーの動向に注目していたはずだ。背景には、労働環境の変化によってクルマを購入・維持することが難しくなっている層が急速に増大していることがある。クルマが売れないとクルマの値段を上げないと採算が取れない。実際、今のクルマは下らない軽自動車でもびっくりするほど高くなった。しかしクルマが高いと当然、クルマは売れず、クルマ離れが進行する。「車なんかカネがかかるし、危ないじゃん」みたいな感じで、クルマは酸っぱいブドウになりつつある。このような悪循環を打破するためにトヨタが考えた一手がカーシェアリングなのかもしれない。さらに、カーシェアリングは新車のセールスにも影響しうる。普段カーシェアリングで利用しているクルマが好印象だった場合、新車を買う際に同じクルマを買うのが安心と考える人は相当いるだろう。なんだかんだで、クルマに乗ってみれば自分の車が欲しくなるものだ。しかし、それには、まずクルマに乗ってもらわないことには話にならない。このように考えると、トヨタがカーシェアリングに参入するのはそれなりに合理的だと思う。まあ、トヨタがやることなのだから合理的なのは当たり前なのだが。
物品税化する消費税
ある意味、消費税というのは(毎日のように消費がどうのこうの、とかいっているのにひどいネーミングの税だと思うが)1989年にできたのではない。消費税の前には物品税というものがあって、贅沢品には重く、生活必需品には軽いかゼロの税率がかかっていた。しかし物品税にはどのようなものにどのような税率をかければいいかよくわからない場合が多い、という問題がある。そして、この問題を解決するために登場したのが消費税なのだ。つまり、消費税というのは形を変えた物品税で、考えようによっては導入以前から存在した、ともいえる。来年、消費税の税率が10%となるにあたり、さっそく軽減税率にともなう面倒が話題になっている。生活必需品の税率は低くする、というなら、これはもう物品税そのものだ。もちろん、物品税と消費税との間には根本的な違いもあるが、もし今後、消費税の税率が上昇を続けるなら、消費税はますます物品税のようになっていくはずだ。
今時の子供っていつ頃から整髪料使い始めるの?
いま、バスで前の座席に明らかに小学生とみられる子供が二人、前後に座っているのだが、そのうち僕の座席の前に座っている方の男児が明らかにワックスを使っている。はっきりいってぜんぜんワックスを使う必要性を感じないというか、全然さまになっていない。今時の子供というのは様になってもないのに整髪料を使い始めるのか、と驚きながらその頭髪を眺めていたら反対側の座席に座っている女子2人と座席を移動するか相談し始めた。見るとこちらの2人は整髪料を使って前髪を固めている。のみならず化粧までしているのだ。印象的なのは、この3人の外見がまったく華やかなものではなく、かなり地味だったことで、化粧とかをすると地味な外見がますます地味なものに思われる。そんなでも整髪料やら化粧品などをつかうのだなあ、ということに驚きながら時代の変化を感じた。