グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

文武両道バカとシビリアンコントロール

文武両道というと、ふつう、学業にもスポーツにもすぐれたパフォーマンスを発揮する優秀な学生、というイメージがある。しかし、僕は文武両道と聞けばどうしても、指導者の言うことならばどんな愚劣なことでも忠実に従い、愚劣きわまる学校行事に熱中するガリ勉タイプのバカを想像してしまう。僕が卒業した「トップ高」がそんな感じだったからだ。

以前、電車の中で防衛大学校の生徒と乗り合わせたことがある。防衛大学校の生徒は外出する際は制服で、たまにテレビでうつる式典でみられる制服と同じものだったので間違いないと思う。それで、ものすごい印象に残っているのだが、その時に乗り合わせた生徒の雰囲気や振る舞い(笑い方とか)は僕が「トップ高」でうんざりしていた文武両道バカとものすごい似ていたのである。

BBCで三佐クラスの幹部自衛官が英語で話しているのをみたことがあった。はっきりいって教養とか知性を全く感じない英語だった。英語というのは恐ろしくて、話している人間の知性や品格が直接的に反映される。こんな英語がリアルタイムで全世界に放送されているのかと思うと恥ずかしさと強い憤りを覚えた。戦争にあんな惨めな負け方をしたのに全然懲りてないと思った。

先ほど三等空佐が参議院議員とトラブルを起こしたという話を読んで、僕はこれらの文武両道バカにかんすることを一気に思い出した。

話題になった三等空佐は、本当に文武両道バカの見本のような人物だと思う。まず、今回の騒動は、自衛隊の幹部職員ってどのような人がやっているんだろう?ということを考える上では有意義だが(ちなみに、自衛隊は結構オタクが多いらしいのだが)、普通に考えて自衛隊に利益になるものではない。しかも、冷静に情況を判断すべき幹部自衛官なのに戦略も何もなく、後先をまったく考えずに衝動的にトラブルをおこしている。こんなことで有事になったらまともに対応できるのだろうかと不安になるような出来事だ。

おそろしいのは、三等空佐が自衛隊の幹部でありながら、日報問題の深刻さを全く認識していないことである。もし日報がなくなったとしたら、これは戦後はじめて「戦闘地域」に派遣された自衛隊の活動を記録した膨大な量の基本資料がなくなってしまったということだ。自衛隊の歴史が後世に正しく伝わらなくても三等空佐は平気なのだろうか?まあ、今回は結局は見つかったからよかったものの、自衛隊の保身により失われた重要資料は少なくないのではないかと不安になる。一方もし自衛隊が日報の所在を知っていながら政治家に黙っていたとしたら、これは議会制民主主義に対する反逆にほかならない。

しかし、三等空佐は、幹部でありながら日報問題の深刻さを全く認識することなく、左翼が自衛隊の邪魔をしているのが気にくわないというような全く幼稚な見解しか持っていない。そして、他の幹部自衛官が日報問題の重要性をはっきり認識しているかというと、認識している人はそれほど多くないと思う。

三等空佐は国会議員の権威も理解していない。

このほどセクハラ問題で財務省の福田事務次官が辞任をした。僕がものすごい驚いたのは、まずセクハラの中身以上に(セクハラの中身も、例の「このハゲー!」に匹敵すると思うが)、この問題が明らかになったあとの前次官の対応だ。「夜のお店で言葉遊びを楽しんだことがある」「自分の声を聞いたことがないので録音の声が自分のものか分からない」など、なんでこんなことを言うのかと不思議に思ったら、なんと退職金を満額もらうために裁判を起こし、録音の信憑性を争おうとしてそんなことをいっていたのである。

「夜のお店で言葉遊びを楽しんだことがある」

「自分の声を聞いたことがないので録音の声が自分のものか分からない」

こんな恥ずかしいことをテレビカメラの前で言うくらいなら、僕ならばいささかの躊躇無く退職金を放棄する方を選ぶだろう。こんな恥ずかしいことは僕には絶対にできない。退職金ゼロの方がまだましだ。(ちなみに福田前次官の退職金は約5,000万円という。以前から比べると数千万減っているが、東電の勝俣会長の退職金もその程度なのでこれくらいが正常なのかもしれない)。

自衛隊とか財務省のような組織には、文武両道バカが集まりやすい。こういう文武両道バカは声がでかいから、少しいるだけで組織全体の雰囲気が劣化する。先ほどの「大東亜戦争」で日本を滅ぼしたのも田舎出身の文武両道バカだった。

文武両道バカは言われたことは真面目にこなすが、自分の頭でものを考える力はなく、傾向として無教養で幼稚で保身に走りやすい(文武両道バカであること自体が保身の結果である)。そして、自衛隊とか財務省のような組織は往々にして、組織全体が文武両道バカになりがちなのだ。

さて、ここで文武両道バカとはまったく正反対の存在であることが期待されている人たちがいる。言うまでもない、それは政治家だ。文武両道バカとは違い、政治家は広い見識に基づいて世間の常識を反映した判断を行うことが期待される。

さらに重要なのは政治家というのは官僚とは違って保身が難しいことだ。もちろん様々な利益誘導による権力の維持は政治の世界には欠かせないが、それでも政治家は保身を第一とする人間が志す職業ではない。なので政治家は官僚よりもより私利私欲から離れた判断を行うことが期待されるのである。

自衛隊財務省などの組織に対するシビリアンコントロールが絶対的に重要な理由はここにある。文武両道バカがまともな国政上の判断を行うのは不可能である。国政上の判断は、有権者が信任した国会議員が行うべきものなのだ。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。