グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

テストで得点するために「頭がいいこと」は十分条件に過ぎない

例の橘怜氏による著書の影響なのか、最近、子供の学力は遺伝で決まる、というような意見が聞かれるようになった。

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確かに何をするにしても人間には向き不向きというものがあって、これは勉強についても例外ではない。勉強が得意な人もいれる一方、勉強が苦手な人も当然いるだろう。

しかし、僕はどうしても「頭がいいこと」がテストでハイスコアを取るための必要条件だとは思えない。

もちろん、「頭がいい子」が勉強ができるのは(定義からして)当然だが、別にテストでいい点を取るのに「頭がいい」必要はないと思う。「頭がいいこと」はテストでいい点を取るための十分条件ではあっても、必要条件ではないと思う。これがハイレベルな争いになると勉強の才能が効いてくるのは確かだろうが、平均的な親が満足する程度の学業成績を達成するくらいならば誰でもできると思う。

なぜかというと、結局の所テストというのは解答に必要な知識を知っているかどうかである。つまり、記憶の問題なのである。これは基本的にはどの教科でも変わりがない。解答に必要な事項を知っていれば解答できるし、知らないならば解答できない。

そして、記憶というものはその気になれば誰にでもできる。もちろん、どれくらい効率的に記憶できるかは人によって異なるし、得意な教科に関する事項は苦手教科に関する事項よりも憶えやすいだろう。しかし、記憶すること自体は誰にでもできる。 

英語などは典型的だ。英語というのは必要な単語を覚えれば九割以上習得したようなものだが、単語を憶えることは誰でもできる。

どれほど英語が苦手な生徒でも「ポリティシャンポリティシャン」と繰り返させればポリティシャンが政治家のことだと分かるし、「パーリアメントパーリアメント」と繰り返させればパーリアメントが議会の事だと分かる。はっきりいってポケモンの名前を憶えるのと何の変わりもない。

子供がポケモンの名前は簡単に憶えるのに英単語をなかなか憶えないのは、勉強時間と比べてポケモンをしている時間のほうが比べものにならないほど長いのと、ポケモンのほうが英語の教科書などよりも比べものにならないほどよくできているというだけの話だ。

数学だってポケモンの話と同じで、結局はポケモンをプレイする時間と同じくらい数学の問題をプレイ?していないだけだ。ポケモンに関する学習はすんなりと進むのに数学に関する学習が一向にうまくいかないのは、先ほども言ったように数学に取り組む時間がポケモンに取り組む時間とは比べものにならないほど少ないのと、数学教育の出来がポケモンと比べて比べものにならないほど悪いからである。

よく分からないのは、学力は遺伝で決まると言うような事を言っている人たちがこれらの点について何も考えていない事である。先ほどの慶応の教授などは典型的だ。

遺伝要因は子ども自身にはどうすることもできない。その上、親も家庭環境も子どもが自由に選ぶことはできない。子ども自身にどうしようもない要因で、学業成績の80~90%が説明されてしまうのである。

にもかかわらず、学校でも塾でも親からも「できないのはおまえのせいだ。努力不足だ、勉強の工夫が足りない、やる気がない。だから成績が伸びないのだ」と成績の出来不出来の責任を子ども本人に押しつけている。こんな不条理があるだろうか。

著者の慶応の教授は、このように学力が遺伝による事が理解されていない事を嘆いて見せるが、そこには今行われている教育のクオリティーについての批判もなければ、勉強が出来るというのは所詮、テストに解答するのに必要な知識をもっているだけで「考える力」などとはほとんど関係ないのではないか?というような懐疑もない。実際は「高学歴」の世界にはびっくりするほどのバカが少なくないのに、あたかも「学力」がなにか絶対的に価値があるものであるかのような認識なのである。この世の中で学力がある馬鹿ほど迷惑なものはないのにもかかわらずだ。

勉強などはできれば結構だが、出来なくても大して問題がない程度に考えていればいいのだ。勉強ができる事と考える力がある事とは何の関係もないし、今行われているような教育に従って勉強をしたからといって考える力が強くなるとも限らない。

高学歴の人生というのは言われているほど素晴らしいものではない。高学歴には高学歴の弱点がある。学力がどうのこうの言う連中は完全にビジネス目的でものをいっている。ああ、こういう連中(とこういう連中の言説を流通させているマスコミや出版社)は金儲けがしたいだけなんだろうな、と聞き流すのが賢明だろう。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。