ブログを書くよりアルバイトをする方が価値がある、とは言えないと思う
どうも最近、アルバイトをするよりもブログをやったがいい、というような(よくある)エントリーを書いた人がいるらしくて、一部で話題になっている。
僕はそのエントリーは読んでいないが、まあ「プロブロガー」がいうような事が書いてあるのだろう。
そういうエントリーに対する反応というのも、まあ、大体予測できるし、全くもっともなものである。
たとえば、アルバイトをするという経験はアルバイトをしなければ得られない、つまり後からカネを出しても得られないような貴重な経験だから、ブログなんかにリソースを全振りするのはもったいない、というものだ。
でも、僕はこの議論をもってしてブログをやるよりアルバイトをしたほうがいい、とは言い切れないと思う。
ブログをやる事も経験の一つには違いないからだ。
僕がブログを初めて驚いたのは、ブログというのは全然読まれないものなんだなあ、という事だ。
ブログを始める前、僕はブログというのは何か有意義なものを少し書けば、それはすぐさま、検索エンジンによってめざとく拾い上げられるものだと思っていた。
要するに、「今の時代はどんな情報でも検索エンジンは見つけてくる」というような世間の言葉をそのまま信じていたわけである。
ところが、ブログを一年続けて分かったのは、自分が伝えたい情報を流通させる手段として、検索エンジンはほとんど役に立たない、という事だ。
僕は以前ブログで、フランス語を3か月、ネットだけを使って勉強する、という企画をやった事がある。
このエントリーを一つ書くために、僕は本当に3か月フランス語を勉強して、フランス語で書かれたものならば辞書なしでも大体9割くらいは分かるようになった。
そして、このエントリーにはその時にどう勉強したかが全部書いてある。
自分でも内容には自信があるし、正直、フランス語の勉強法で僕の書いたエントリーよりも役に立つものを見たことがない。
フランス語を勉強しようかな、と思っている人にとって、僕のエントリーは絶対に役に立つと今でも思っている。
しかし、ではこのエントリーが読まれているか、というと、はっきりいってほとんど読まれていない。
せいぜい、一日に1回か2回アクセスがある程度だ。
フランス語を勉強してみたい♡なんて考えているOLなんて、世の中に百万人くらいいるはずだが、そのようなOLが百万人いようが、僕のエントリーは全く読まれない。
あれくらいの長文を書いても、ぜんぜんアクセスがないのである。
他のコンテンツもまあ、似たようなものだ。
何を書いても、不思議なくらいアクセスがない。
それで、関連したキーワードで検索すると、自分が書いたエントリーよりも価値があるとはどうしても思えないようなエントリーが延々と表示される。
昔、「ここはひどいインターネットですね!」 という言い方が話題になった事があったが、検索エンジン自体がひどいインターネットなのだ。
もちろん、僕のエントリーが読まれないのは読まれるための努力(SEO対策など)をしていないからだが、そのような努力をしなければいけない事自体がすでに「ひどいインターネット」である。
僕としては、そんなことをするよりは記事を書く事に集中したいし、実際にそうしているけれども、そうするとアクセスはほとんどゼロになる。
ほとんどゼロのものをいくら掛けてもほとんどゼロだから、いくら記事を書いても、ブログのアクセスはびっくりするほど変わらない。
検索エンジンがひどいインターネットである上に、少しマイナーな話題になると検索は激減する。
これは、プロ野球選手の年収が何千万なのにマイナースポーツの選手が貧乏である事に似ている所がある。
プロ野球選手の年収が何千万なのは野球業界に流れこむカネが巨額だからで(もっとも、プロ野球選手の全員が何千万の年収をもらっているわけではないが)、マイナースポーツの選手が貧乏なのはマイナースポーツに流れ込むカネ自体が少ないからである。
検索というのもこれに似ていて、マイナーな検索キーで検索をする人というのは本当に少ないのである。
インターネットを使う人というのは日本だけで一日何千万人いるわけで、これだけの人がいるならばどんなマニアックな検索キーでもたくさんの人が検索をしているように思えるが、実際その検索キーで検索をする人というのは一日に一人か二人、ということもありうる。
というか、少しでもマイナーな検索キーならばそちらのほうが普通かもしれない。
マイナースポーツをやっている人だと、自分がやっているスポーツがいかにマイナーであるかは日々思い知らされるだろうが、往々にして、マイナーな分野に関心を持っている人は、自分が関心を持っている事がいかにマイナーなのか良くわかっていない。
たしかに、検索エンジンの場合は、検索エンジンを使うのに必要な能力が普通のユーザーの能力の限度をはるかに超えている、という側面もあるが、とにかく、検索エンジンがひどいインターネットな上にすこしメジャーでない事を書くと検索自体がされない。
だから、なにか自分が本当に重要だと思う事を書くと、こんなに読まれないものなのか、とびっくりすることになる。
その一方で、世の中には意外な情報に人気?がある。
実は、僕のブログで一番読まれているのは、日清カップヌードルのチリトマト味を取り上げたエントリーである。
読まれているといっても一日に20アクセスとかその程度だが、ともかくこの記事が一番読まれている。
どういう人がこの記事を読んでいるのかは分からない。
この記事への20アクセスのほとんどが流通業者とかだっとしても僕は驚かないが、とにかくこの記事は安定して読まれているのだ。
一体、3か月を使って書いたフランス語のエントリーを読む人がほとんどゼロで、カップラーメンの記事を書いたらブログの中で一番読まれる記事になる、なんて、誰が予想するだろうか?
しかも、このブログは飲食料の紹介に力を入れているわけでもなく、そのようなエントリーは5つか6つくらいしかないのだ。
このような事は、いくらアルバイトをやっても絶対にわからない。
アルバイトをやって分かる事もあれば、ブログをやって分かる事もある。
僕は、それなりに儲かるブログを作るのは普通に出来る、と思う。
要するに、儲かりそうな分野を趣味にすればよいのだ。
自分が関心ある分野がぜんぜんブログでの金儲けにつながらないものだからいけないわけで、クレジットカードとかゲームとかアニメとか漫画とかラーメンなど、そのようなものを趣味にすればよい。
僕のブログにしたって、カップラーメンを100種類食べてエントリーを100書けば、それだけで僕のブログのアクセスは(元のアクセス数が非常にすくないので)数十倍になるだろう。
そうした上で、おすすめのエントリーみたいな形で、先ほどのフランス語学習のエントリーを紹介すれば、少なくとも今よりは読まれるようになるかもしれない。
ある意味、インターネットというのは世の中の真の姿を映す鏡のようなものである。
ひどいインターネットを通してひどい世の中を理解した上で、それなりにやりがいのある方法で、それなりに楽しくカネを稼ぐ事を勉強する、ということは十分に意義がある事だと思う。
そして、そのノウハウは社会人になっても役に立つのではないだろうか。
多分、学生にとって一番いいのは、アルバイトをやりながらブログをする事だろう。
これだと少し忙しすぎるような気もするが、得るものは少なくないと思う。
仮にブログの運営がうまくいかなくても、ブログを書く事で得られたものは失われない。
僕のフランス語学習のエントリーは誰にも読まれないが、僕がそのエントリーを書くために学んだフランス語の知識が無意味になるわけでもない。
なんだか自分でも何がいいたいのか分からなくなってきたが、最後に言いたいのは、無理をするな、ということだ。
ブログに全振りするのが自然ならばブログに全振りすればいいが、そうでないならばブログに全振りするなんて絶対にしてはいけない。
どうも、ブログの世界の一部では「背水の陣」をしく事を煽る傾向があるが、そのような事をしても絶対にうまくいかない。
「背水の陣」で生まれ変われるならば苦労はない。
「背水の陣」をしく前に出来ない事が「背水の陣」をしいた後でも出来ないのは、ブログの世界でも変わりがない。
電子出版した本
多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。
世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。