グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

なぜ官僚・政治家・学者・財界人は消費税が大好きなのか

とうとう総選挙になったけれども、消費税の人気は相変わらず根強い。官僚・政治家・学者・財界人はこれまで通り消費税が大好きのようだ。世間の消費税に対する懐疑的な見方を気にしているのか、あるいは黙っておいた方が消費税増税がかえって消費税増税がやりやすいという認識が広まったのか、一時ほど騒々しい消費税のプロモーションはなくなったが、消費税の人気というのは目立たないだけでしっかりある。

その証拠に、今回の総選挙でも消費税の減税、あるいは消費税の廃止を公約として掲げる政党は全くもって見当たらない。どの政党も、「今」消費税を増税するのは反対!と言っているだけである。要するに、消費税を増税する事自体はいい事なのだが、落選したくないから「今」消費税を増税するのは反対、というスタンスなのだ。本音では今すぐにでも消費税の税率を30%くらいに上げたくて仕方がないような政治家もたくさんいるのではないか。

僕はこれまで、消費税というものがどうしてこれほど人気があるのかどうしても理解できなかった。というのは、僕は基本的に消費というのは善で過剰な蓄財というのは悪だと思っていたからだ。カネというのは使われる事で意味を持つわけで、溜め込んでいては全く意味を持たない。それなのに、カネに意味を持たせる消費活動にペナルティーを与える消費税がこれほど人気なのはなぜなのだろうか?

それにはもちろん、消費税が徴税の際に面倒がないとか、既得権益層であるほどうれしい♡税金であるという事もあるだろう。これらはもちろん消費税賛成派が消費税増税を叫ぶ原動力になっている。しかし最近、僕はどうも消費税賛成の背景にはただの損得勘定だけではないものがあるのではないか、と思い始めた。どうも、これらの消費税賛成派は消費税を他の税よりも倫理的な税金であると思っているようなのだ。

先日、ドイツにおけるベーシックインカムの推進論に関する記事をネットで見た。その記事で興味深いと思ったのだが、ドイツではベーシックインカムを実施する際に、所得税法人税を廃止して税金を消費税に一本化すべきだ、という意見があるらしい。所得税とか法人税というのは経済活動を行う人間を罰する税金なのでけしからん!というのである。いかにもドイツ人らしい気違いじみた考え方だと思ったが、僕はこの話を読んでなんで官僚・政治家・学者・財界人の間でこれほど消費税が人気なのか始めて理解ができた気がした。これらの人達の中では、蓄財というのは善で消費というのは悪なのだ。

たしかに資本主義というのは蓄財がなければ成り立たない。資本が蓄積されているからこそ現代社会では巨大企業が巨大なビジネスを行う事が出来るのである。しかしながら興味深いのは、基本的に資本主義というのは消費を元に成り立っているという事だ。

この間に話題になった電通などはいい例だ。電通の社員は猛烈に仕事をしているわけだが、ではその電通の社員がしている仕事はというとこれは消費税大好きな人たちが嫌う消費を限界までプロモートする事である。そして、このことは多くの経団連企業についても同様なのである。それでは、消費者が消費をするための原資がどこから来るのかをたどってみると、それは消費が嫌いで節約が大好きな人達の資産だったりするのだ。

勤勉と節約を重んじるような価値観が支配的な社会では、カネを儲ける事自体が目的になりやすい。カネがあっても使い方が分からないのでもっとカネを儲けるためにカネを使うようになるのだ。カネというのはリソースの配分手段にすぎないのに、カネが神格化されるのである。しかし、カネが神格化されれば資本主義は変調をきたす。なぜなら、それはカネが本来の機能を失っている状態であるからだ。

資本主義社会において蓄財と消費というのは車の両輪である。これからの社会では、蓄財が善で消費が悪、というような考え方は改めるべきだと僕は考えている。今の社会では蓄財が美徳とされすぎるために蓄財と消費とでバランスがとれていない。これからは蓄財をこれまでよりも悪とみなし、消費をこれまでよりも善であるとみなす事でバランスをとっていく事が必要である。そういう意味でいうと、今の既得権益層がプロモートしている消費税増税法人税減税の流れは方向としては全く見当違いであるように思う。

電子出版した本 

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。 

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。