グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

イランとソヴィエト

https://www.economist.com/news/2020/01/28/trapped-in-iran

イスラム独裁政権の影響もあって、世間では謎の国として知られるイランだが、実はイランはトルコと同じくらい(トルコを中東に分類すべきかは微妙なところだが)世俗的な国である。こういう国でイスラム革命が起きてそれが四十年も続いているのは考えてみたら不思議な話だ。なぜイスラム独裁政権が四十年も続いているのか?おそらくそれは、他の中東諸国と比べてイランの独裁政権がマシな部類だからだろう。例の一神教を信仰している国ではたいてい政治腐敗が深刻な問題なのであるが、イランに関しては国が崩壊するようなレベルの腐敗があるという話は(先進国に見られるような程度の腐敗はあるのだろうが)聞かれない。宗教警察の取締りはいい加減で、人々は常識の範囲内でわりとハッピーに生活している。そもそも「革命防衛隊」の役人からして、大して宗教を信じていない。宗教警察の役人だって同じようなものだろう。このような社会のあり方は、ソヴィエトの社会と非常に似ている。どちらも貧しいが安定した社会で、文化が繁栄する中、人々は案外楽しく暮らしている。天然資源を売って獲得した外貨により国が運営されている所も似ている。だからイランのイスラーム独裁政権は要するに共産党のようなものなのだ。問題は、このようなイランの政治体制は永続するものではないということだ。ソヴィエトが崩壊したように、イランのイスラーム独裁もそのうち終わる。イスラーム独裁なしに、イランの文化的繁栄は継続するのだろうか?