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グローバル引きこもりブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール acc4297gあっとgmail.com

世界の田舎者CNN

フィデル・カストロが亡くなった。90歳だったそうで相当な長生きである。1950年代に革命を起こしてアメリカの傀儡政権を打倒したあと10年ほど前に体調を崩して引退するまで、カストロは50年もの間キューバの最高権力者だった。カストロが革命を起こしたとき、アメリカの大統領はアイゼンハワーだったのだから本当に20世紀のの国際政治における生きた化石のような存在だったといえる。

僕はこのニュースをBBCで知ったんだけど、CNNとBBCとでは報道の仕方が全く違っているのが興味深かった。BBCはカストロの生涯とか功績、キューバの冷戦下における立場、共産主義者キューバ革命をどのように成功させたのかというような明るい話が多かった。

キューバというのはもちろん独裁政権だから西側諸国のような人権や自由はないのであるが、しかし国家としては中南米の基準ではかなりまともな方である。アメリカから強力な経済封鎖をされている所にこれまで経済的にキューバを支えてきたソ連が崩壊してしまったので国民は相当に困窮しているらしいが、教育も医療も無料でその水準は中南米では非常に高い。社会問題として政治腐敗や格差があるわけでもなく、そういう意味でキューバ共産主義の理想をある程度実現した国であると言える。

考えてみればキューバというのは中南米の多くの国が直面している深刻な問題とは全く無縁であるのだ。麻薬・マフィア・警察の腐敗・犯罪など、これらの問題はキューバには全然関係がない。それはもちろんキューバが熱帯にある大きな島であるからで、自然に恵まれた大きい島という意味ではキューバというのは日本みたいな所があるけれども、ともかくキューバ共産主義国家の中では成功した国である事は間違いない。地理的に非常に恵まれた条件があったとはいえ共産主義の枠組みの中である程度の成功はしているわけで、BBCの報道はこのような事実を踏まえたものだった。

一方、CNNの報道はBBCのものとは全く異なったものだった。CNNが延々と映し出すのはカストロの死を祝うマイアミの人々の様子である。マイアミにはキューバからアメリカに亡命した元キューバ人のコミュニティーがあり、そういう人はカストロに強烈な恨みを持っている。これらの元キューバ人はカストロのせいで本当にひどい目に合った人が多いわけで、まあカストロの死を祝うくらいならしてもいいと思うのだが、驚いたのはCNNの報道自体も同じような雰囲気だったということだ。

同じような雰囲気というのはどういう事かというと、たとえばキャスターが「カストロは一部の人以外、多くの人に憎まれている人物ですが・・」という事を平気で言うのだ。正直言って耳を疑った。世界的にみたらカストロというのはチェ・ゲバラみたいなもので、カストロを憎む人のほうが少数派だ。カストロには間違いもあったが、他の独裁者とは違って良心的に政治に取り組み、それなりに成功した人物というのが世界的な評価だろう。

ロンドンにあるキューバ関連の友好協会みたいな所にスタジオから電話を掛けた時もそうだった。電話に出たのはどうせケン・リビングストンみたいな元極左なんだろうけれども、「キューバの人は悲しんでいる」というような事をいうと攻撃的な口調で苛立ちを剥き出しにして「なんでお前はキューバの人権状況を非難しないのだ」という事を繰り返し繰り返し言うのである。要するにCNNの政治姿勢とは違う事をいうのが気に食わないのだろうが、そのアメリカ人的な無礼さには本当に驚く他はない。

アメリカにおける教育と医療の腐敗はほとんど想像を絶したレベルになっている。アメリカ人は日本人よりもはるかに高いカネを払っていながら、日本よりもはるかに質のひくいサービスを押し付けられているのだ。人権問題は結構だが、CNNはどうしてキューバでは低コストで高いレベルのサービスが提供されているのかを詳しく報道するべきなのである。既得権益者層とグルになり、本当に深刻な問題にはダンマリを決め込む一方、差別とか人権というような絶対に安全なテーマにばかり熱中するアメリカのリベラル派には本当に吐き気がする。

CNNの報道というものは客観性が弱い。 アメリカ大統領選でもCNNのキチガイぶりはものすごかった。BBCの報道も相当におかしい部分があるのだが、それでもBBCには現実を社会現象としてとらえる姿勢がある。ところがCNNは、それを社会現象ではなくて悪としてとらえる。つまり、政治運動と報道との違いというものに全く無関心なのである。政治運動と報道との間に大した差などあるわけもないが、しかし報道機関としての体裁にまで無関心なCNNのキチガイぶりは恐ろしい。

今回のキューバ関連の報道を見て、CNNというのは要するに世界の田舎者なんだな、と思った。田舎者だからアメリカの事しか知らず、世界の現実を理解できないのだ。CNNを見ていると、アメリカのある種のリベラル派の精神構造を見るようでうんざりする。というかCNNとかニューヨークタイムズのようなリベラルメディアのおかげで、「エリート」のアメリカ人はますます見当違いな世界観を持つようになってしまうのだ(そして、おかしな世界観を持った連中がCNNとかニューヨークタイムズに毎年のように入ってくるのである)。

こういうリベラル派はいつも各地域の現実についてなんの理解もないのに介入し、無茶苦茶になって手に負えなくなったら投げ出すのだ。それで自分はコストを一切払わないのである。そして反省というものが一切ない。CNNもそうで、見当違いなプロパガンダをしてもその反省は一切ない。リベラル派というのはそういうものだといえばそうだし、そういうビジネスといえばそれまでなのだが、ビジネスだから勝手にやってください、というわけにはいかないのが困る。

まあ、アメリカのリベラル派を理解するにはCNNはとてもいい。

電子出版した本

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

Common Lispと関数型プログラミングの基礎

 

多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。

世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。