教育行政の無責任体質と「教員不足」
どうも、全国の小中学校で教師の数が足りなくなっているらしい。
どれくらい足りないかというと、700人ほど足りなくなっているらしい。
この「足りない」ということの定義がどのようなものかは知らないが、おそらく700人分の授業が「自習」とか、そういう感じになっているのだろう。
そうだとしたら、仮に平均的なクラスの人数を30人とすると20,000人ほどの生徒が授業を受けていない状態だということで、まあ、大きなニュースといえば大きなニュースかもしれない。
では、なぜ教師の人数が足りないか、というと、これは少子化を見越して教師を臨時採用の教師に置き換えているからである。
もし、正規採用で教師を採用した場合、今後少子化が進んで教師が余ったとしてもそれらの教師はクビにできない。
なので今、教育行政は、教師を少子化が進むにつれて自由にクビにできる臨時採用の教師に置き換えている。
その臨時採用の教師が採用できなくなっている、というのだ。
臨時採用でもいいから教師をやりたい人の数は限られているのに、必要とする臨時採用の教師の数は増える一方なのだから、教師の数が足りなくなるのは当たり前といえば当たり前の話ではある。
臨時採用の教師の採用が難しくなっている理由は、ネットなどを通じて、そんなものになっても正規職員に都合よく使い捨てにされるだけ、ということが周知されてきたから、というのもあるだろう。
どうも、臨時採用の教師とコマ数あたりで働く非常勤教師というのは違うらしいのだが、ともかく、将来の需要に応じて自由にクビにできるから非正規雇用で教師を採用しているのである。
まともな人間ならば、そんなものに応募することが正しいことなのか、考えてしまう方が普通なわけで、だから教師の数が足りなくなるのは当然の成り行きだし、人々が合理的な判断ができるようになっている、という意味では歓迎すべき事だといえる。
興味深いのは、先ほどのNHKの番組では教育現場が大変!と言っているだけで、非正規雇用の教師がそのことによってどのような影響を受けるのか、ということが全く取り上げられていない。
「仕事が増えて大変!でもお賃金は減らしたくない!」という教育現場のエゴと、「わが子の教育が!」という親のエゴしかないのである。
取材しているのは現場の教師と文科省の課長だけで、非正規雇用の教師には一切取材がされていないのは、このような無責任体質が反映しているようにも思える。
もちろん、非正規雇用の教師になりたがる人というのはあまりいないんだな、ということを周知する意味はあるが(というよりは、非正規雇用でも教師になりたがる人は増えてないのに必要とする非正規の教師の数は増加する一方、というのが実情だろうが)、NHKとして少しバランスが欠けているのではないか?
どうすれば教員不足は解消されるか?
最高なのは、すべての教師を非正規雇用にすることだろう。
教師というのは、べつに非正規雇用でもできる。
だから臨時採用とか、コマ数あたり3,000円で教える非常勤の教師というものがあるし、校長だってド素人の民間人がやっている。
教員免許も必要ない。
年限をなくした「助教諭免許状」を発行すれば、それで済む。
教師を非正規雇用にするなんて不可能なように思えるが、国立大学だって法人化されたのだから案外簡単にできるような気がする。
それが無理というなら、教育内容のリストラと、教師のお賃金を切り下げて生徒あたりの教師数を増やすしかないが、それもイヤだというならば、別に放置しておけばいいのではないだろうか。
学校なんて託児所の一種に過ぎないのだから、授業が少しくらい「自習」になった所で問題はなにもない。
それで影響を受ける層は読み書きと小学生レベルの算数が分かっていればいい層で、もっと高度な学問が必要な層は自分で学問ができるから大丈夫である。
だから、今の状況は放置プレイで構わない。
どうせ、教育行政にある既得権益を手放したくないからギャーギャー騒いでいるだけだ。
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