専門職の待遇とインフラの質のトレードオフ
ネットをしていると、日本の専門職の賃金は国際的に見て低すぎる、というような意見を日常的に見かける。
本当だろうか?
海外の専門職の賃金が高いのは、社会のインフラにカネがかかっていないからだと思う。
もっといえば、インフラにコストはかかっているのだが実質的なコストをかけていない。
インフラの実質的なコストというのはなにかというと要するに人にかかるコストである。
インフラの質というのはインフラで働いている人間の質なので、インフラで働いている人間にコストをかけないとインフラの質は低下する。
よく、欧米ではインフラ(サービス業といわれるもの)の質が悪いと言われる。
なんで欧米のインフラの質が劣悪なのかというと、インフラで働く従業員にカネをかけていないからだ。
そして、欧米では、インフラで働く従業員にカネがあまり流れない一方、専門職のエリートにカネが流れるようになっている。
だから、欧米では専門職の賃金が高いのだ。
しかし、賃金が高いからといって海外の専門職が日本の専門職よりも豊かに生活できるかは自明ではない。
というのは、海外ではインフラの質が低いので日本と同じ質のインフラを利用しようとするととたんにコストが跳ね上がる。
医療もそう、住宅もそう、教育もそうで、エリートの高賃金を保障するためにあらゆる分野でぼったくりが行われる。
ぼったくり価格で提供されている少しでもマシなサービスを買うために自分も必死でぼったくるというサイクルが欧米社会で起こっていることだと思う。
一方、日本ではエリートの待遇というのはそれほどよくない。
日本でも貧困問題が話題になるようになって久しいが、そうはいっても何だかんだでエリートの取り分が少ない分、現場の人間に落ちるカネの量はおおい。
現場の人間に落ちるカネの量が多いと、当然のことながらインフラの質は向上する。
安全な地域に住むためにとんでもない額の家賃を払う、というようなことは、日本では基本的にしなくていい。
エリートの待遇とインフラの質というのはトレードオフである。
エリートの待遇を上げればインフラの質は下がるし、エリートの待遇を控えめにすればインフラの質は向上する。
海外を見てもわかるように、エリートの能力なんてたかがしれている。
エリートの好待遇とインフラの高品質を両立する方法はおそらくない。
電子出版した本
多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。外部ライブラリーは使っていません。
世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。