グローバル引きこもり的ブログ

「Common Lispと関数型プログラミングの基礎」というプログラミングの本を書いてます。他に「引きこもりが教える! 自由に生きるための英語学習法」という英語学習の本も書いています。メール → acc4297gアットマークgmail.com

得るものなく亡くなったhagex氏

「今日も得るものなしZ」というブログがある。亡くなったhagex氏がやっていたブログとおなじようにネットウォッチを中心としたブログだ。

僕がhagex氏が刺殺されたという話を聞いてまず真っ先に思い出したのはこの「今日も得るものなしZ」だった。というのは、あえて言い切ってしまうけれどもhagex氏のブログを読んだところではっきり言って何の得るところもない。はあちゅうの何がダメなのかを知ったとしても何の得るものがないし、匿名掲示板からヤバイ奴の話を集めてきたところでそんなものを読んでも何の得るものもない。

今回の刺殺事件のきっかけになった「低能先生」だってそうだ。低能先生を通報したところで何の得るものがあったのか?アカウントが凍結されても、低能先生は新しいアカウントをつくればいいだけのことだから(獄中にある今となってはアカウントをつくるのはもはや無理だけれども)、低能先生を通報しても得るものは何もない。

hagex氏に至っては、得るものがないどころか命まで失っている。もちろん、hagex氏は百万PVのブログを運用する事で得られた広告収入だけでなく(もっとも、hagex氏のブログの読者はネット慣れした嫌儲が多いのか、PVの割に収入はたいしたことがなかったらしいが)、炎上を通り越して殺された日本のネット史上初のネットウォッチャーという栄誉を得たが、この事件だって知ったところで何の得るものがない話と言えばそうである。この刺殺事件を詳しく調べて具体的に何かえるものがあるかというと、何もないと思う。

もちろん、何が得るものでなにが得るものなしになるのか、という問題は難しい。たとえば、ポテトチップを食べたところで得るものは何もないし、アイスを食べてたところで得るものは何もないが、得るものがなくてもみんなポテトチップスやアイスを食べているし、ポテトチップス工場やアイスクリーム工場に勤務することは得るものがないこととはみなされない。

それとおなじように、hagex氏が扱っていた情報というのはポテトチップスやアイスクリームと同じような嗜好品だったのだろう。そういう意味で、hagex氏の亡くなり方というのは、アイスクリーム工場の爆発に巻き込まれて亡くなったアイスクリーム工場の従業員のようなものかもしれないし(アイスクリーム工場が爆発するものなのかは知らないけれども)、もっといえばhagex氏の死自体も嗜好品として消費される運命にあるのだろうなあ、と思った。