アメリカ国民が否定したハーバード・ケネディスクールの知的腐敗
今回の大統領選挙で印象に残ったのは、アメリカのリベラル派の気が遠くなるほどの無能さである。
リベラル派が無能なのは一応知っていたけれでも、正直ここまで無能だとは思わなかった。
僕は今回の選挙で、リベラル派の醜態を「恥ずかしい人たちだな」と思ってずっと見ていた。今回の選挙は普通ならばクリントンが勝つはずのものだったが、今から考えるとこういう恥ずかしい人たちなんだから負けたのも無理はないかな、と思う。
このリベラル派の醜態が非常に極端な形で出ていたのがアメリカのハーバードなどの「名門大学」である。その事がよくわかる資料を見つけたので、ここに全文を転載する。
11月8日夜―。ハーバードケネディスクールの天井に準備された赤・青・白の無数の風船が落ちることはなかった。ヒラリー・クリントン氏の勝利が宣言された瞬間、落下するはずの風船は、網に囲われ、重く天井からぶら下がったままとなった。
ハーバードケネディスクールの同級生の大半は、民主党支持者だ。教授陣も民主党支持者が多く、歴代政権で活躍した人も多い。
8日の夜、初の女性大統領誕生に希望を抱いた学生たちは、大学で開かれた選挙結果開票パーティーに集まった。私も「このタイミングで行政大学院に留学できてラッキーだな」とワクワクした気持ちで、結果を友人たちと待った。
華やかな装飾と期待で溢れた大学だったが、トランプ氏がオハイオ州で勝利をしてから、少しずつ静かになっていく。結局、深夜になっても結果が出ず、学校は閉まった。
そして翌日、学校に行くと、そこは別世界のようだった。
私自身、「メキシコの不法移民はレイプ犯」「イスラム教徒の入国を禁止すべき」など、異常ともいえる差別発言を繰り返し、アメリカの理念であるはずの「平等」や「多様性」を真っ向から否定する人が大統領になったことが、信じられなかった。同級生も皆一様に、動揺している。
そんな中、エルメンドルフ学長から全学生にメールが届いた。
「多くの人にとって、長く苦しい夜でした。午後1時に全校の集まりを開催するので、どうぞ来てください」
午後1時。全校生徒を前に、学長は壇上に上がった。
彼もショックを隠し切れない様子だった。ハーバードケネディスクールは、差別と戦い、知識を探求(knowledge and inquiry)する学校だと強調したうえで、トランプ氏はそれらの理念を共感しない人であると話した。そして涙ながらに、行政や公共政策を学ぶ学生として、この選挙結果を受け止め、世のため人のために働くことがこれまで以上に重要であると訴えた。
ハーバードケネディスクールでは選挙の結果に係わらず民主主義による選挙によって選ばれた大統領を祝福するために、風船落下をおこなうことが伝統だと話した学長は、天井に溜まったままの風船を落下させた。
むせび泣く人の声、そしてアメイジング・グレースを歌う女性の声が響く中、静かに落下していく風船をみんな見守った。
アメリカの大統領選は、そもそも日本とは制度が違うので、淡々と行われる総理大臣選出に慣れている日本人にとっては、アメリカ人の反応は芝居がかって大袈裟に見えるかもしれない。しかし、それくらいこれらの出来事は異常で、現実ではないようだった。
これまでトランプの批判や侮辱の対象となった同級生たちは、喪失感でいっぱいだ。彼らはこう語る。
ヒスパニック系アメリカ人男性の同級生は、泣きながら語った。
■「自分の存在、尊厳、価値、“アメリカ人”であることを証明するのに、もう疲れ果てた。アメリカという国は黒人、アジア系アメリカ人、ヒスパニック系アメリカ人、LGBT、障害者、女性をはじめとする少数派を好まないかもしれない。でも、諦めずに、お互いが力を合わせれば乗り越えられると信じている」
アフリカ系アメリカ人女性の同級生も、泣いていた。
■「オバマ政権が進めた、あらゆる人種や性別へ寛容な社会に対する、反動が起きている。色んな意味で多様性を受け入れられない、白人層の怒りが明らかになった。トランプ氏は選挙に勝つために、差別的な発言を繰り返したと信じたい。そうだとしても、彼に投票した人たちがこんなにもたくさんいた。トランプ氏の勝利で、彼らが、嫌悪や差別を正当化できるようになると思うと、恐ろしくて息ができない」
白人男性の同級生は、寄り添った。
■「私たちもショック状態だが、彼らマイノリティの不安は、想像を絶する。白人男性には理解しようがない恐怖を、友人たちが感じている。何かできることがあったら教えてほしい。全力でサポートをする」
マレーシア人女性の友人が話した言葉が、今でも心に残っている。
マレーシア人女性の友人はこう語った。
「困難な状況で、人はリーダーを探す。どう考えて、何をすればいいのかと。理解できない状況を、理解できるようにして欲しいの。選挙を経てヒラリー、オバマ大統領、そしてエルメンドルフ学長のスピーチを聞いたが、希望を感じられなかった。
希望を与えるはずの言葉だったが、彼ら自身の未来への恐怖が見え隠れしていた。頼れるはずの人たちの恐怖を感じ取ることほど、恐ろしいことはない」
これほど悲しみに溢れた日が、国民の半数にとっては、トランプ大統領を喜んで祝福する日だった。対極の世界が同時に存在していることが、今のアメリカの現実だ。
日本では、TPPや日米同盟など、外交への懸念が多く報じられている。日本人として、直接影響を受けるだろう政策のため、当然だ。でも、今アメリカで起きていることの深刻さ、支持された価値観や考えがアメリカや世界にどういう影響を及ぼすか、日本人としても考えなければいけない。
この選挙はアメリカがいかに分断されているかを明らかにした。エリート支配層への怒り、自分と違う人種や性別の国民に仕事や社会的な力を奪われる恐怖感、自分たちが恩恵を受けない経済…。今までと明らかに異なる過激なリーダーに賭けてみようという力が、世界の大方の予想を覆した。
アメリカは今、ショック状態だ。
クリントンの勝利を確信するという無能
この記事を読んで驚くのは、あの情勢でも絶対にクリントンが勝つとケネディスクールの大半の関係者が信じ込んでいたという事だ。あの情勢でヒラリーが100%勝つと信じるなんて、頭がおかしいんじゃないか?
僕もブログを一応やっているので一応予想を出したけれども、正直どちらが勝つかは分からなかった。最終的にはRCPの地図を見て、あえて言うならばトランプが勝つだろうな、と思ったけれども、どちらかというと、時代の流れからするとトランプかな?という判断だった。
僕はもともと、ヒラリーが大統領になるという事について懐疑的だった。トランプが勝つだろう、というよりもヒラリーが大統領になるのはいくらなんでも無理なんじゃないか?という感じだった。正直、やはりヒラリーが勝つのだろうか、と思う事もあったけれども、ヒラリーが話をしている所をみるとこういう人物が大統領になるとはどうしても思えなかった。
ヒラリーが負ける要素はそれこそ山ほどあった。それは日本の田舎で引きこもりをやっている僕にもはっきりと分かった。大体、民主党が3期連続で大統領選に勝ったことはアメリカの建国以来一度もないのだ。この程度の事も読めずにknowledge and inquiryとは笑わせる。
イラク戦争と同様の気違い沙汰
今回の選挙戦でリベラル派を観察して思ったのは、イラク戦争が始まった時にブッシュを熱烈に支持したアメリカ人と全く同じだな、という事だ。全員が一人残らず同じ事を言うばかりで、話す内容が全部同じなのである。
「トランプは人種差別主義者・排外主義者・イスラム恐怖症だから許せない」と、このような事ばかりを延々と繰り返すばかりで内容が全然ない。「サダムが残忍な独裁者だから許せない」というのと同じで議論が非常にドグマチックなのだ。
この種のドグマチックな議論は非常に危険である。プラグマティックではないからだ。
それは「残忍な独裁者」であったサダムを抹殺した後、イラクで何が起こったかを考えれば簡単にわかる。イスラム国とサダムとを比較すれば、サダムのほうが比べものにならないほどマシだったのは明らかだ。
中東で可能な政治は世俗的な軍事独裁か神権政治かの2つに一つで、民主主義が成立する余地などあるわけもないのだ(少なくとも短期的にはそうだ。中東ではイスラム離れが進んでいるらしいので、中東にヨーロッパ的な民主主義国家が出現する可能性は十分にある)。
あの当時イラク進攻を熱狂的に支持したリベラル派は今のイラク情勢に対して何を言っているのか?ダンマリを決め込むばかりなんじゃないのか?イスラム国を相手に人権がどうのこうの言ってもしょうがないので、議論を投げ出したのだ。というか、議論になったら絶対負けるので議論をしようとしない。リベラル派というのはこういう連中ばかりである。
そもそもにして、トランプが本当に「差別主義者」なのかも疑わしい。リベラル派が事実に対する関心が希薄なのもイラク戦争当時と非常に似ている。
アメリカ人はサダムの「大量破壊兵器」に関するデマに踊らされてイラクに侵攻したが、今回リベラル派がトランプを「差別主義者」とした根拠というのも例の非常に有名になった(それは非常に計算されたもので、空前の大成功をしたわけだが)演説での発言(というよりもニュースなどで何百万回も流された映像)だけで、その他にトランプが差別主義者であるという証拠は何一つない。何もないものだから
私自身、「メキシコの不法移民はレイプ犯」「イスラム教徒の入国を禁止すべき」など、異常ともいえる差別発言を繰り返し、アメリカの理念であるはずの「平等」や「多様性」を真っ向から否定する人が大統領になったことが、信じられなかった。
というような陳腐な泣き言を繰り返す他ないのである。
アメリカの主要メディアが集団的にヒラリーを支持し、トランプを攻撃する様は、イラク戦争当時にメディアが集団ヒステリーを起こしてブッシュを支持し、イラク戦争に反対する人を攻撃した様子と全く同じである。
僕は今回の選挙での気違い沙汰を見て、今回ヒラリーを熱狂的に支持した人間のかなりの部分は熱狂的にイラク戦争を支持したんじゃないか?と思った。ケネディスクールにいるヒラリー支持の教授の中にも、イラク戦争を熱狂的に支持した人間がいるんじゃないのか?
ヒラリーを熱狂的に支持したケネディスクールの教授がイラク戦争当時に何を言ったのかは比較・検討する価値があるだろう。そういえばヒラリーもイラク戦争を熱心に支持したのだった(そして、卑怯にも「ブッシュの決定に正当性を与えた事を遺憾に思う」とか言って責任転嫁した)。
今まで30年間リベラル派は何をしてきたのか?
テレビ討論会でトランプはヒラリーに、「いままで30年間、何をやってきたのか?」と言ったが、これは全くその通りだと思う。
これまでアメリカを支配してきたのはヒラリーを支持してトランプを攻撃するような連中だった。
こういうリベラルで、あらゆる差別に対して猛反対するような連中がハーバードなどを卒業して大企業などの権力の中枢に入っていくわけだが、ハーバード出身者は今までの30年間、権力の中枢でいったい何をしてきたのか?
特権階級として特権の上に汲々としていたんじゃないのか?
カルフォルニアとか東海岸の「名門大学」が全部リベラル原理主義なのに、アメリカ社会にこれほど問題があるのは、リベラル派が腐っているからだ。これらのリベラル派は社会正義の実現にはやたら熱心だが、そのために必要なコストを自分では一切支払うつもりはなく、コストのすべてを恵まれていない階層に押し付けるのである。
学問にとってもっとも大切なものは何か?
あらゆる学問にとってもっとも大切なもの、それは懐疑の精神である。ところがアメリカのリベラル派にはこの懐疑の精神というものがさっぱり見当たらない。
真理を追究するというのはニーチェのような生き方をするということで、ヒラリーみたいになるという事では断じてない。
今回の大統領選で、アメリカの有権者は単に合理的な選択をしただけである。少しでも懐疑の精神があるならば、ヒラリーのような人物を熱心に支持するなど恥ずかしくてとてもできるものではない。消極的に支持するというのならまだ理解できるが、ヒラリーが負けたから「むせび泣く」とは恥ずかしいにも程がある。
もし大学に懐疑の精神がないならば、それはカルト宗教の宗教施設に過ぎない。ケネディスクールに在籍する教師と学生には、自分たちの在り方というのは恥ずかしいものなのだという事を強く自覚していただきたいと思う。ケネディースクールには世界中から学生が来るので、そうでないと世界が迷惑するのだ。
電子出版した本
多分、世界で一番簡単なプログラミングの入門書です。プログラミングの入門書というのは文法が分かるだけで、プログラムをするというのはどういう事なのかさっぱりわからないものがほとんどですが、この本はHTMLファイルの生成、3Dアニメーション、楕円軌道の計算、 LISPコンパイラ(というよりLISPプログラムをPostScriptに変換するトランスレーター)、LZハフマン圧縮までやります。これを読めばゼロから初めて、実際に意味のあるプログラムをどうやって作っていけばいいかまで分かると思います。
世間は英語英語と煽りまくりですけれども、じゃあ具体的に英語をどうするのか?というと情報がぜんぜんないんですよね。なんだかやたら非効率だったり、全然意味のない精神論が多いです。この本には僕が英語を勉強した時の方法が全部書いてあります。この本の情報だけで、読む・書く・聞く・話すは一通り出来るようになると思います。